【2023】30年以内に巨大地震が起こる確率は70~80%以上って本当?

30年以内に巨大地震が起こる確率は70%以上って本当?

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30年以内に70%以上の確率で地震が起きるといわれています。
この記事では、その根拠はと出展元についてわかりやすくご紹介します。

目次

「30年で70%以上の確率で巨大地震」のソースは気象庁地震火山部

30年で70%の確率で巨大地震が起こるという話は、多くの方が聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、そのソース(根拠)は?と疑っている方もいるかと思いますので、今回はその根拠についてご紹介します。

巨大地震と言っても大きく「首都直下型」と「南海トラフ地震」の2種類に分かれているのですが、後者の「南海トラフ地震」については以下の二つの会で評価されています。

・南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会
・地震防災対策強化地域判定会


上記の会が南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果を行っており、南海トラフ地震の起こる確率を発表しています。

「30年以内に発生する確率が70から80%」の根拠は?

では、なぜ「南海トラフ地震」が近いうちに起こるといわれているのでしょうか。
実は、巨大地震はある法則性に則って定期的に繰り返されていると考えられています。

そして、日本で発生した「南海トラフ」がから絡む最後の地震は1944年・1946年「昭和東南海地震・昭和南海地震」です。
この地震ではそれぞれ1000名以上の死者をだしているとされています。終戦期の日本を巨大地震が襲っていたのですね。気象庁も南海トラフ地震が起きやすい根拠を以下のように記載しています。

海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70から80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から約80年が経過していることから切迫性の高い状態です。

https://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nteq/index.html

南海トラフ地震は定期的に発生する。そして、その法則性を考えると30年以内に70~80%の確率で地震発生する。ということになります。

一方で南海トラフの発生確率を疑問視する声も

一方で、南海トラフの地震は言われているより低い可能性があると指摘している方々もいます。地震確率が高くなる説を採用し、予算や報道に偏りが出ることに警鐘を鳴らしています。

小沢慧一さんの「南海トラフ地震の真実」という書籍では、「発生確率は実は20%」なのではないかと紹介しています。

東京新聞
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ざっくりご紹介すしますが、かなり丁寧に取材をされており、その内容は信頼に足るものであり「第71回菊池寛賞」を受賞した書籍でもあります。(朝日新聞様からも、当ブログでのご紹介を快諾頂いております。)

南海トラフ地震の発生確率は、実はその根幹となる科学的根拠に乏しいです。
高知県室津港の隆起量を根拠にしているが、港工事によって隆起があったと考えられ、現在の「発生確率70%-80%という予想」はそれにより崩壊します。
また、通常の地震予測は「単純平均モデル」を使って将来の地震発生確率を計算するが、なぜか南海トラフ地震の発生確率のみ「時間予測モデル」が採用されています。
南海トラフ地震を「単純平均モデル」で計算しなおすと、30年以内の発生確率は20%程の確率となります。しかし、南海トラフ地震のみ「時間予測モデル」が採用されているのは、南海トラフ地震の発生確率を意図的に大きく見せたいという力が働いています。

南海トラフ地震の発生確率が高くないと困る人たちがいます。まずは、南海トラフ地震対策を理由に国の予算を使って地震の研究や地震対策を推進する人たちです。発生確率が低くなれば、緊急性にも影響があり、予算にも影響があると考えられます。そして、被災想定地域の居住者たちにも影響があります。80%というインパクトのある確率から20%になることにより、『南海トラフ地震の他人事化』が進み、防災力の低下が考えられるのではないかという影響です。

一方で、南海トラフ地震の発生確率が、本来よりも高く出ていることで、他の影響があります。南海トラフ地震以外の地域に住んでいる人の防災意識や、防災予算への影響です。相対的に南海トラフ地震の被災想定地域に予算が多く振り分けられるため、防災予算の振り分けに偏りがでてしまうことです。
また、結果として南海トラフ地震「以外の地域」が安全に見えてしまうような影響もあります。いずれも大きな被害を出した北海道胆振東部地震、熊本地震、能登半島地震などの地域が「相対的に安全かのように見て取れてしまう」ということは問題です。

このように、「30年以内に南海トラフ地震が起こる確率は70~80%以上」は本当か?と言われれば疑義が残る状況であります。一方で、だから南海トラフ地震への警戒を緩めましょうとなってしまっては、これは防災関係者としても不用意です。むしろ、昨今の北海道、熊本、能登半島の地震の状況を見ると「どの地域もいつ地震が起こるかわからないので、備えを強化しましょう」とした発信がより大事になってくるのではと考えます。

関連する記事も貼っておきます。

東京新聞 TOKYO Web

いずれにせよ、いつ、どこで起こるかわからない巨大地震。人生100年時代に突入し、日本人であれば生きている間に災害に出会う可能性は高いです。もしもに備えた準備をしましょう。

いつか来る巨大地震に備えて

この巨大地震は30年以内に70%以上の確率で発生するといわれています。
このブログを読んでいる皆様は10年後、20年後、30年後は何歳でしょうか?あなただけでなく、ご家族は何歳でしょうか。巨大地震がきたとき、あなたはあなた自身や家族、大切な人を守ることができますか。

このブログではいつくるかわからない地震だからこそ、日ごろからの備えを推奨しています。
そして、「いつか」準備しようとしている方は今すぐ、もしもに備えて準備してください。

防災士うめい

今回は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました!
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