こんにちは、もしもにスタジオ代表の防災士うめいです。
このサイトでは「防災をデザインする。」をテーマに防災に関するお役立ち情報を発信しております。
今回は「アルファ米が危険との噂」についての記事です。
アルファ米について調べていたら「危険」と出てきた理由が知りたい
アルファ米が安全か知りたい
アルファ米の過去の食中毒事件について知りたい
アルファ米(アルファ化米)は危険!?噂の真相は
アルファ米について調べていたら「危険」と出てきたそこのアナタ。安心してください。アルファ米は安心して食べられる非常食です。
しかし、過去に起きた食中毒事件をきっかけに、危険を心配する声があることも事実です。
そのような心配の声が大きくなり、ネットで検索したときに「アルファ米 危険」という表示が出てしまうのです。
では、過去にどのような事故が起こったのかのでしょうか?気になりますよね。
そこで今回は、どんな食中毒が起きたのか?どのメーカーだったのか?安心して食べるポイントは?どのようなアルファ米の食中毒事件だったのか?などについてお伝えしていきます。
正しくは「アルファ化米」です
細かいようですが、実は「アルファ米」は尾西食品さんが商標登録されています。一般名称は「アルファ化米」なので、尾西食品さん以外のメーカーから発売されているものは全て一般名称である「アルファ化米」と呼ぶのが正しい表現となります。
一方で、1968年から「アルファ米」を継続して商標登録されており、かなりの歴史があることから一般名称と商品名が混在されて使われているケースも多くみられます。
ホッチキスとステープラーみたいなものかにゃん?
引用:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/s0100
歴史が長く、馴染みのある「アルファ米」という呼び方は一般名称になりつつあります。
ネット上では、「アルファ化米」と比較して、「アルファ米」として掲載されている記事の方が約2倍。
さらに「アルファ化米」と比較して、「アルファ米」で検索している人のが3倍多いです。
このことからすでに「アルファ米」の表現がデファクトスタンダードとなっていると考えられます。しかし、「アルファ米」は尾西食品さんの登録商標であるため、その歴史と企業努力に敬意を表して、本記事では以後「アルファ化米」と表記して解説をしていきます。
危険とされる原因『防災訓練で112人食中毒 都立高、非常食が原因か』
アルファ化米が危険と言われる原因は2017年6月12日に発生した、江戸川区の都立小岩高校で起きた食中毒事件がきっかけのようです。
防災訓練中に使った非常食のワカメごはんセットが原因で112人が食中毒を起こしたとのこと。
このワカメご飯セットは都教育委員会が業者に発注した特注品のようですので、一般的には流通していない製品です。しかし、我々消費者としてはどのメーカーが食中毒を起こしたのか気になるところですよね。
次の章では食中毒事件後のアルファ化米メーカーの動きも検証していきたいと思います。
アルファ化米食中毒詳細
防災訓練で112人食中毒 都立高、非常食が原因か
(2017年6月13日 0:22)東京都は12日、都立小岩高校(江戸川区)で行われた1泊2日の防災訓練に参加した1年生の男女112人が腹痛や下痢などを訴え、訓練中の食事による集団食中毒と断定したと発表した。炊かずに食べられるアルファ化米を使った非常用食料のワカメご飯セットが原因の可能性が高く、症状はいずれも軽いという。
都福祉保健局によると、訓練は5月19、20日に1年生約350人が参加して実施。19日の夕食は米と乾燥ワカメのセットを生徒たちがお湯で調理して食べ、翌朝の朝食として乾パンとクラッカー、水が配布された。
発症者1人の便とワカメの検体からウエルシュ菌が検出された。ただ、都は「ウエルシュ菌は自然界に広く分布しており、発症には多くの量が必要で、検査結果からは食中毒の原因とは断定できない」としている。
ワカメご飯セットは都教育委員会が業者に発注した特注品で、全都立高校に計15万食以上を配布している。都教委は全校にこの製品を使用しないよう通知した。
6月上旬に防災訓練で同じセットを食べた他の都立高2校でも体調不良を訴える生徒が出ており、福祉保健局が経緯などを調べている。
引用:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO17592560S7A610C1CR8000/
防災訓練中に起きた、悲しいニュースだにゃん…
アルファ化米の食中毒を起こしたメーカーはどこ?
2017年の集団食中毒を起こしたアルファ化米を提供したメーカーは、実は公表されていません。
100人を超える食中毒者が発生したにも関わらず、メーカー名が公表されないのは異例なことです。東京都が特注品で作っていたということから、政治的なしがらみもあるかもしれませんが、消費者としては不安はぬぐえません。
なお、このについて問い合わせを入れていた、防災アドバイザーの岡部梨恵子さんがブログで以下のように報告しています。
都立小岩高校
東京都総務局総合防災部
防災管理課東京都江戸川区保健所
東京都江戸区役所
危機管理課
全部に聞きましたが、たらいまわし
「うちじゃわからない」
「東京都が発表してないからわかりません」
そういう回答ばかりでした。
引用元:https://ameblo.jp/keinaonao/entry-12305814941.html
一方で当時、食中毒を起こしていないメーカーが次々と食中毒に関するリリースで「自社製品ではない」ということをアピールしています。
つまり、世の中に存在するアルファ化米メーカーの中で「自社製品でない」と表明した企業についてはチェックしておく価値があるでしょう。
アルファ化米を製造している企業一覧※ネット調査して出てきたもののみ
アルファ化米を製造している企業(ブランド)を一覧にしました。
ネットで検索して出てきたメーカーを記載していますが、すべてではないと思いますのであしからず。
- 尾西食品
- アルファー食品
- サタケ
- 山貴屋
- アイリスフーズ
- モンベル
- 杉田エース
- 希美食品
- ヤギショー
- エコ・ライス新潟
食中毒事件後に、食中毒を否定するお知らせやリリースを表明した企業はどこ?
以下に、大手アルファ化米メーカーが食中毒を否定するお知らせやリリースを出したかどうかの記録を記載します。ただし、否定する記事を出していない=危険であるという意味ではありませんので、ご注意下さい。
また、掲載しているのは私が調べた限りのアルファ化米のメーカーであり、他にもアルファ化米を製造販売しているメーカーがある可能性があります。
最終的には、ご自身の判断で安全だと思われるメーカーさんを選ぶのが良いかと思われます。
尾西食品
「アルファ化米にかかる集団食中毒の報道につきまして(PDF)」
というタイトルで「食中毒の原因の可能性があると報じられたアルファ化米製品の賞味期限が平成30年12月であるという情報から、弊社の製品ではないことを確認しております。」と発表しております。
ちなみに、アルファ化米の食中毒事件の際に、フジテレビ系のテレビで尾西食品のアルファ化米パッケージが映されるということがありましたが、これも明確に否定されています。
フジテレビ系列番組での集団食中毒にかかる報道において、弊社の「炊き出しセット」の製品写真画像が使用されておりましたが、弊社製品が食中毒の原因の可能性があるとの意図での弊社製品画像の使用ではなかったことをフジテレビより確認しており、上述のとおり、弊社製品は無関係であることを、あらためて申し添えます。
https://www.onisifoods.co.jp/news/20170614_1730.pdf
アルファー食品
「アルファ化米による食中毒発生報道について(WEB)」
というタイトルで「当該事案の発生報道を受け「東京都」に詳細を問い合わせたところ、当社製品とは何ら係わりのないことが明らかになりました。」と発表しております。
サタケ
「集団食中毒の報道について(WEB)」
というタイトルで「原因はアルファ化米非常食のわかめごはんの可能性が高いと言われていますが、当該非常食は弊社商品ではございません。」と発表しております。
アイリスフーズ
アイリスフーズがアルファ化米事業を開始したのは2021年3月でした。(WEB)
食中毒事件の発生後にできたブランドです。
アイリスフーズのアルファ化米は食中毒事件とは無関係と言えそうです。
モンベル
モンベルがアルファ化米事業を開始したのは2019年8月1日でした。
食中毒事件の発生後にできたブランドです。
モンベルのアルファ化米は食中毒事件とは無関係と言えそうです。
杉田エース
特にお知らせやリリースの記録はございませんでした。
希美食品
特にお知らせやリリースの記録はございませんでした。
ヤギショー
特にお知らせやリリースの記録はございませんでした。
エコ・ライス新潟
特にお知らせやリリースの記録はございませんでした。
アルファ化米を安心して食べるポイントとは?
上記をふまえた上で、アルファ化米を安心して食べるポイントは以下の3つです。
賞味期限内に食べる
アルファ化米には賞味期限が明記してあります。賞味期限は「おいしく食べられる期限」なので、多少過ぎても食べることはできますが、より安全に食べるのであれば賞味期限内に食べるのが安心でしょう。
カリカリも賞味期限内に食べると美味しいにゃん~♪
保存方法をしっかり守る
アルファ化米には保存方法が明記してあります。賞味期限内であっても劣悪な環境で保存された食品は安心して食べることができません。非常時に安心した食生活を送れるように、保存方法は商品パッケージの記載の方法をしっかり守りましょう。
なお、保存方法はメーカーにより異なりますが、例えばアルファ化米最大手の尾西食品は以下のように説明してます。
アルファ米の保存方法としては「直射日光、高温多湿を避けて、常温で保存」を推奨しております。
https://www.onisifoods.co.jp/faq/
当社では、この常温の範囲を20℃±15℃(日本工業規格より)で設定しており、この範囲での保存をお願いしております。
多湿につきましては、日本の湿度が50~75%ですので75%以上と設定しております。
「直射日光、高温多湿を避けて、常温で保存」となっていますので、基本的には室内保管をしているものが安心ですね。アルファ化米を保存する条件として、気温は5℃~45℃の範囲・湿度75%以下での保存が望ましいので、ベランダや社内・喚起条件の悪い物置などは条件があまり良くないかもしれません。
室内保管するなど、なるべく条件に合致した場所で保管するようにしましょう。
安心なメーカーを選ぶ
このサイトでは、事実として過去の食中毒事件で安心宣言を出したメーカーをご紹介しました。さらに気になる方はご自身でお調べいただき、納得した上でメーカーをを選ぶのが良いでしょう。
非常食は、被災時の健康を保ち心を豊かにしてくれる食べ物です。アルファ化米は安心なメーカーを選びたいですね。