【2024年版】非常用トイレは何日分の準備が正解?その根拠を解説。「トイレ問題」で個人ができる準備とは?

非常用トイレは何日分の準備が正解?その根拠を解説。「トイレ問題」で個人ができる準備とは?

こんにちは、もしもにスタジオの防災士うめいです。
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・埼玉県在住/子育て中の30代

今回は「用意すべき非常用トイレの数と、避難生活でのトイレ問題」についての記事です。

この記事はこんな人にオススメ

どのくらい非常用トイレを準備したら良いか知りたい

どんな非常用トイレを用意したら良いのか知りたい

なぜ非常用トイレが必要なのか知りたい

目次

非常用の簡易トイレは何日分を準備するのが良い?

結論:「家族の人数×35個」を目安にトイレを準備して!

防災備蓄として非常用トイレは必ず備えておくべきアイテムのひとつです。理由は、人は水を飲まなくても数日は生きることができるが、排泄は生理現象として避けて通ることができないため水栓トイレが利用できないときの対処法を考える必要があるからです。問題はどの程度準備すれば良いのかということですよね。

結論ですが、「家族の人数×35個」を目安に備蓄をして欲しいと思います。
例えば、4人家族なら140回分のトイレを目安に準備してください。

自分が納得した上で防災の準備をすることが大事なので、理由が気になる方は以下を読んで頂き、ご自身の環境などを考慮した上で、それぞれにフィットした数の非常用トイレを備えてください。

理由などを考えるのが面倒な場合は、とりあえず「家族の人数×35個」を用意しておけばそれなりの有事に対応できるといえるでしょう。

もしもにゃん

家族の人数に合わせたトイレを購入するなら、30回分~200回分の7種類のバリエーションがある「トイレの女神premium」がおすすめにゃん♪

想定している被害日数や家族構成

当サイトでは、最悪レベルの災害として南海トラフ巨大地震レベルの災害が起きた時への備えを想定しています。
南海トラフでは、国の想定で1週間後も7割が断水し、4割の下水が使えないとされています。そこで、想定すべき災害を以下のように整理しました。

南海トラフ地震級の巨大災害が起きたことを想定
在宅避難(自分の家で避難)できる環境であることを想定
1週間はトイレが使えないことを想定

上記の想定を考えると、防災備蓄用のトイレは一週間分あった方が良いということになります。

ではここからどのくらいのトイレが必要なのかということを計算していこうと思います。この記事では、以下のようなことを想定して、必要な備蓄用トイレの数を計算します。

4人家族(夫婦+ひとりでトイレに行ける子供2人)
トイレは1日5回行くとする(平時は平均6.8回という調査あり)
・上記の条件を想定して1週間分用意する

すると計算式は以下のようになります。

この記事の標準モデル:4人家族に必要なトイレ
4 人 × 5 回 × 7 日間 = 140 回分のトイレが必要

上記を想定した場合、トイレのセットは計算で140セット必要になります。この計算式を基準に考えてあとは自分の性格や家庭の事情なども考慮した上で準備するのがよいかと思います。

参考:人数別の非常用トイレ早見表(トイレの女神premiumの場合)

1日5回のトイレを想定したときに、どの程度の備えをすればよいかの早見表をご参照ください。
基本的には、以下の早見表で「〇」以上になるような回数分を目指して準備することをおすすめします。

×…全く足りない
△…1週間はもたない
〇…1週間分足りている
◎…10日分足りている

スクロールできます
toilet_megami_200
200回分
toilet_megami_150
150回分
toilet_megami_120
120回分
toilet_megami_100
100回分
toilet_megami_80
80回分
toilet_megami_50
50回分
toilet_megami_30
30回分
1人分40日30日24日20日16日10日6日
2人分20日15日12日10日8日5日3日
3人分13日10日8日6日5日3日2日
4人分10日7日6日5日4日2日1日
5人分8日6日4日4日3日2日1日
購入購入購入購入購入購入購入
1日5回のトイレ利用を想定した場合の、家族人数別、備蓄可能日数一覧

他のパターンで想定して、自分でしっくり来る数を選ぼう


あまり備蓄品を増やしたくない場合や、そんなに災害が長引くことを想定しない家庭は、半分の3.5日を用意して70セットを用意することになります。

備蓄品を増やしたくない・災害が長引くことを想定していない場合
4 人 × 5 回 × 3.5日間 = 70 回分のトイレが必要

逆にトイレに頻繁に行く人(高齢者や子供)がいる家庭かつ、1週間分ではトイレの数が心もとないという場合は以下のような計算式に調整すると良いです。

トイレに頻繁に行く家族がいる・災害が長引くことを想定している場合
4 人 × 回 × 10日間 = 240 回分のトイレが必要

上記のように、どの程度準備するかということは個人の考え方・家族の状況・備品の置き場所など、様々な要因に左右されます。
よって、一概にこの数を準備すれば正解という答えはないのですが、1日平均5回トイレを1週間という数字は、準備すべき非常用トイレの数を考えるにあたり、目安にしてください。

災害避難生活で困ったランキング上位は「トイレ問題」

さて先に結論から入りましたが、この記事ではトイレ問題について考えていきます。

巨大災害が起こった後のアンケートで必ず上位に入ってくる困ったランキングの上位に入ってくる問題はトイレ問題だそうです。

平成30年7月豪雨のトイレ問題

https://mylet.jp/news/corporate-disaster-prevention/disasters_and_toilets

繰り返される震災の中で、必ず問題にななるのがトイレです。
しかし、防災と言うと身近な防災グッズや保存食などに目が行きがちで、トイレの準備をしている人は少ないようです。

とあるアンケート調査では「大地震が発生し、断水により自宅の水洗トイレが使用できなくなった場合、あなたはどうしますか?」という回答に対して、「備蓄している災害トイレを使う」と回答した人はわずか13.7%でした。

ちなみに、一番多かった回答は避難所のトイレを使うが33.9%ですが、巨大災害では避難所のインフラも被害を受けており、避難所のトイレが使えなかった場合は野外で用を足す以外なくなります。

また、トイレが劣悪な環境だとトイレを我慢する人も多くなります。しかし、排せつを我慢することで毒素が体にたまり、いわゆる「災害関連死」につながってしまう恐れもあるため、大変重要な問題となっております。

安心した環境でトイレが使えるかどうかは、すべて災害が起こる前の準備にかかっています

だからこそ被災生活に備えて、今から非常用トイレを準備する必要がありそうですね。

ワンポイント:災害時、トイレはただの器になる

災害時には正常バイアス(”いつもと同じ”という思い込み)がかかり、上下水が止まっていてもトイレ使えるという思い込んでしまうケースがあるようです。
災害時、パッと見いつもの便器に見えたとしても、それはトイレではなく上下水道の機能を失った”ただの器”である可能性があることも考えましょう。
災害に備える際は、インフラは止まるものと思って備えましょう

巨大災害3日後は仮設トイレが出来ない可能性が高い

巨大災害が起きたとしても、政府や自治体がすぐに仮設トイレを設置してくれるというイメージをしている人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

事実として東日本大震災のアンケートを見てみると、災害3日以内に必要な仮設トイレが行き渡ったと回答した自体はわずか34%でした。震災後の3日間は、人命救助が最優先となるため、トイレの支援などは後回しにされることになります。

東日本大震災の時のトイレ問題

https://www.nakagawa-mfg.co.jp/info/5139/

4~7日に仮設トイレ設置できたと回答した人を含めても、全体の約半数に止まっています。南海トラフのような巨大地震が起きた場合同じか、更に深刻な事態になることが想定されます。

仮設トイレは2週間使えないと想定することも視野に

上記のアンケートを見ると、2週間経過しても約3割の自治体は仮設トイレの設置ができていません。
冒頭の「家族の人数×35個」は1週間トイレが使えない場合に備えた数です。災害が長引くリスクを重く見るのであれば、2週間分の非常用トイレ(家族の人数×70個)を用意するのもありかと考えます。

個人でできる準備できることは意外と少ない

実は、個人でできるトイレの準備での非常に少ないです。
一般的に売られている非常用のトイレで個人で買えるものは以下の三つが代表的なものです。

・携帯型
・組み立て型
・便器設置型

基本的には個人で手に入れられる非常用トイレは上記の3種類だけです。
非常用という観点では、携帯型では機能が足りないため、組み立て方か便器設置型を準備しましょう。

もしもにゃん

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非常用トイレの凝固剤だけは手に入るの?

非常用トイレを準備していて「凝固剤だけあればな」と思ったことはありませんか?
たとえば、袋は市販の45Lごみ袋を大量にお持ちの場合は、凝固剤だけあれば非常用トイレが完成します。

そんな方にとっておすすめなのが、トイレの凝固剤のみ購入する方法。

これであれば、非常用トイレセットが無くても、家にある袋と組み合わせることで非常用トイレが完成します。

ちなみに、トイレの凝固剤単体で販売している実店舗は非常に少なく、防災コーナー大好きな私が見たことがあるのが「カインズ」のみです。ECショップなら手軽に購入できるので、是非検討してみてくださいね。

防災士うめい

今回は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました!
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