台風の備え・対策を防災士が解説!台風の準備で大切なことや、家でできることなど台風災害対策をご紹介。

台風の備え・対策を防災士が解説!台風の準備で大切なことや、家でできることなど台風災害対策をご紹介。

こんにちは、もしもにスタジオ代表の防災士うめいです。
このサイトでは「防災をデザインする。」をテーマに防災に関するお役立ち情報を発信しております。

この記事をかいた人

防災士うめい@もしもにスタジオXインスタYoutube
・防災士に全問正解で合格。YoutubeやSNS等メディアで情報発信中
・インテリアコーディネーター/整理収納アドバイザー
・埼玉県/子育て中の30代

今回は「台風の備え・台風対策」についての記事です。

この記事はこんな人にオススメ

台風が接近しており、どんな備えが必要か知りたい

台風への備えについて、ポイントを押さえたい

台風災害対策が知りたい

目次

台風の備えは事前準備が全て

「台風シーズン」という言葉があるように、日本は台風大国です。

日本には、毎年ほぼ必ず台風が上陸し、大きな被害をもたらして去っていきます。
時には何名もの死者を出す大災害に発展することも。ただし、地震と違うのは「台風が来ることが、事前にわかる」ということです。大抵の場合は、台風の規模や進路が数日前から予想されているため、事前の準備さえしっかりできていれば被害は最小限に抑えることができます。

命を守るために、早い決断が大切

台風対策の本題に入る前に、「どのようなケースで命を落としたか」を分析した以下のグラフをご覧ください。

引用:台風などの風水害犠牲者の半数は屋外で遭難 風雨が激しいときの屋外行動は要注意
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/35ca1ada08df50813d69230b5a5d4dd09560ae63

洪水の際は屋外で、土砂災害の際は屋内で犠牲になっている方が多いことがわかります。
これは、ほとんどのケースで「早くに避難の決断ができていたら避けれた犠牲」です。

避難のタイミングを逃してしまい、遅れた避難で洪水などの水害で犠牲になる。在宅が危険な区域にいながら、気づいてたら避難ができなくなり犠牲になる。と言ったパターンです。『台風は一日・一時間・一秒の避難実施が大事』と覚えておきましょう。

もしもにゃん

台風で一番大事なのは、はやめの行動!命を守るにゃん。
みんなの無事を祈っているにゃん~

今回は、そんな台風に対して、どのように備えるべきかを防災士が解説します。

台風の備えや対策は、何日前から何をすべき?

台風が近づいているとわかったら、まず何をすべきか重要度が高い順にご紹介します。

ハザードマップを確認し、避難方針を決める(4~5日前)

台風が近づいているとわかったら、まずはハザードマップを確認して避難方針を決めることが最重要です。できれば、台風直撃が予想される数日前には確認したほうが良いでしょう。

ハザードマップは、自治体の施設で入手できるほか「重ねるハザードマップ」や「不動産情報ライブラリ」のWEBサイトでも防災情報を確認することができます。

ハザードマップを見た上で、「洪水浸水想定区域」「高潮浸水想定区域」「土砂災害警戒区域」など、リスクの高いところにお住まいの方は特に要注意ですので、しっかり準備していきましょう。

在宅避難をする or しないを決めておく

お住まいの場所が危険な場合は、自宅以外で台風をやり過ごすことも視野に入れて避難計画を立てましょう。

「自宅以外」というと、避難所を思い浮かべる方も多いですが、『台風が来ない場所へ旅行に出かける』『安全な場所にあるホテルに宿泊する』『遠方の親戚の家に身を寄せる』なども立派な避難手段です。
むしろ、体育館や公民館など避難所に指定されている場所は、宿泊を前提としていない環境のため、避難先として快適とはいえません。むしろ、避難所の劣悪な環境が原因で体調を崩す場合も。指定避難所への避難は最終手段と思っておいた方が良いでしょう。

また、避難所に移動するよりも在宅避難(※)するほうが安全なケースもあります。例えば、自宅の方が高台にある・自宅の方が新しい。移動する道が危険などの場合は、無理に避難所に移動せずに在宅避難を選ぶケースもあります。いずれにせよ、台風が接近して身動きが取れなくなる前に、方針を決めておきましょう。

(※)災害時に自宅で過ごす(難を避ける)ことを在宅避難と言います。

いつ避難開始するかを話し合って決めておく

また、どのタイミングで避難行動をとるかの方針を、家族や同居人とともに早めに決めておきましょう。

台風の事前避難計画では、「マイ・タイムライン」という考え方が大変有効です。
とくに台風などの危険が迫っている際、いつのタイミングでどう行動をするかを、事前に決めておく方法です。

避難開始の基準を決めておかないと、気づいた時には避難が出来なくなっていたり、避難開始のタイミングが遅れ避難中に災害に巻き込まれる危険が高まります。

下のYoutubeがよくまとまっているので、興味のある方はご覧ください。

コラム:5日先までわかるようになった台風情報

2019年3月14日より、それまで3日後までしか発表されなかった台風の進路・強度情報が、5日後までわかるようになりました。これは、スーパーコンピューターによる予測精度の向上によるものです。5日後の進路予想や強度までわかるようになったことで、私たちはそれまでよりもはやく台風に備えることができるようになりました。せっかく5日前から予測されるようになったのですから、私たちはその情報をさらに活かして、しっかり事前に備えていきたいですね。

台風対策グッズの購入や、備蓄品の補充など(4~5日前)

近年、台風対策グッズや備蓄品・食料品が売り切れるスピードが、以前よりもはやくなってきていると感じます。
それは、台風の進路が5日先まで予測できるようになったことや、コロナ禍初期におこったような「買い占め」への危機感SNSによる早期の危機感の共有などがあります。

2020年の台風10号接近の際には、直撃4日前にペットボトル水のコーナーが売り切れていたという情報があるくらい、人々が危機対策に対して敏感になっています。

実際、「特別警報級に発達する恐れのある台風」として発表された直後(直撃予測の5日前)に、5人に1人は準備行動を開始しています。

引用:西日本新聞 https://www.nishinippon.co.jp/item/n/663177/

遅くとも3日前までには台風対策グッズや備蓄品の確認を終え、足りない物があれば購入しておきましょう。
5日前なら、まだ物流も混乱せず、翌日配達のECサイトなら問題なく配達してくれる可能性があります。「近所のスーパーに何もない!」となる前に、余裕をもって準備をしましょう。 

被害を最小限にするための準備(2~3日前)

台風襲来の2~3日前からは、具体的な台風対策の準備を始めるようにしましょう。
台風が近づくことで、すでに風が強まっていることもあります。危険を感じたら無理をせず、安全な範囲で準備をすることがポイントです。

とくに、風でベランダの物が飛ばされたり、雨で浸水しないための対策が必要になります。

  • 窓ガラス飛散防止対策(ガラス飛散防止シート・養生テープなど)
  • 側溝や排水溝の清掃
  • ベランダのモノを片付ける

窓ガラスが強化複層ガラスでなかったり、飛散防止フィルムなどの対策をしていない場合はどうすればよいでしょうか。台風接近時に、窓割れ対策として養生テープが売り切れることが話題になることがあります。養生テープは実験により多少の効果があると認められているため「やったほうがマシ」です。
実は、養生テープに加えてプラベニヤを一緒に準備すると効果が高まるといった実験結果もあります。詳しくは動画をご覧ください。

また、植木鉢・物干し竿・屋外家具・傘など…家の軒先・庭・玄関などにあるものは、極力家の中にしまうようにしましょう。

ちなみに私の祖母は、台風直前に庭のパラソルを片付けようとして風に飛ばされ、数メートル先まで空を飛んでいきました。台風直前の片付けでなく、なるべく早めの片付けを心掛けましょう。(祖母は無事でした)

もしもにゃん

おばあちゃん、飛ばされていっちゃったにゃん…!

コラム:台風前の雨どい(雨樋)の清掃は危険?
台風前に「雨どいの清掃」が推奨されることがあります。しかし、雨どいの清掃は、ベランダや屋根に上るなど高くて危険な場所を掃除することになります。風や雨が強まる台風接近時に、素人が自分で清掃するのはお薦めしません。雨どいのメンテナンスは、台風シーズン到来前に余裕をもって業者に清掃依頼するのが良いでしょう。

インフラ停止に備える(2~3日前)

台風の影響で、生活インフラが止まってしまう可能性があります。
特に、停電と断水は台風で起こりやすい被害です。(台風でガスは止まりにくいとされています。)そこで、停電や断水に備えた準備も早い段階から行いましょう。

  • モバイルバッテリーやポータブル電源の充電
  • 懐中電灯やランタンの動作確認
  • 充電式電池の充電
  • ガスコンロの動作確認

断水対策には備蓄水を用意するのがおすすめです。しかし、台風の2~3日前ではスーパーなどで売り切れている可能性もあります。台風対策に限らず、日ごろから水は備えておくようにしましょう。

そして生活用水の備えとしてお風呂に水をためることも有効ですが、小さいお子さんがいる家庭(とくに4歳ごろまで)は溺水の危険があるため推奨しません。

断水時はトイレが使えなくなる可能性もあります。非常用トイレも備えておきましょう。

台風直撃に備える(1~2日前)

いよいよ台風が近づいてきたら、安全な場所で「命を守る」が鉄則です。
高齢者や乳幼児など、避難に時間がかかる方は、危機が迫る前に余裕をもって避難行動開始をしてください。
また、命をまもるためエッセンシャルワーカーの方以外は、積極的に仕事休むことを検討してください。あなたがマネージャーや指導的立場の方なら、関係者の安全を第一に考えて行動してください。
家族や親せき・友人・ご近所にも危機感を伝え、声を掛け合って命を守る行動をとりましょう。

  • 身近なへの声がけ・行動の確認
  • 避難タイミング・避難先の再確認
  • 雨戸やシャッターを閉める
  • 2階以上で寝る
  • 危険を顧みず仕事しない・させない(仕事も休めるなら休む)
  • 学校や習い事は欠席(無理な行動はしない)

また、過去の台風では1階で寝ていたことにより、水害で死亡するケースが相次いでいます。
睡眠中に1階が水没することで、垂直避難(2階など、上の方向に逃げること)の機会を失ってしまうからです。可能なら2階以上で寝るようにしましょう。また山間部に住んでいる場合は、土砂災害による被害を避けるために、斜面の反対側で寝るようにしましょう。

台風が原因で起こる災害・被害

実際の台風がどんな被害をもたらしたのかを知ることで、過去の教訓を備えに活かすことができます。
ここからは台風がもたらす被害「水害・風害・土砂災害・高潮害」についてYoutubeの参考映像つきでご紹介します。映像は「台風はどんな被害をもたらすのか」を鮮明に記録しています。「台風」が過ぎ去ってしまえばその恐ろしさも記憶から薄れますが、「こんな被害が起こるかもしれない」という想定をしながら、「正しく恐れる」ことで台風の備えに役立てましょう。

水害

台風が上陸すると、大雨が短時間で広範囲に降ります。これにより、様々な水害が発生します。
河川が決壊し、堤防からあふれる「外水氾濫」(いわゆる河川洪水)だけでなく、地下の水が溢れてしまう「内水氾濫」による被害もあります。

いかは、2020年の台風19号により、武蔵小杉駅が水没した時のニュースです。

風害

台風の被害は風の被害も深刻です。2018年の台風21号は記録的な暴風となり、各地に大きな被害をもたらしました。各地で観測史上記録を更新する『最大瞬間風速40m/sを超える風』が吹きすさぶ事態。車はミニカーのように吹き飛び、トラックさえもなぎ倒し、建物の屋根は紙屑のように剥がれて吹き飛びます。突然に飛来物が飛んでくるシーンは恐怖以外の何物でもありません。こうなったら丈夫で安全な屋内に避難し、外出は控えるほかないでしょう。

土砂災害

台風による大雨で地盤が緩み、山間部や崖のある地域で土砂災害が起こるケースがあります。2014年、台風の被害ではありませんが、集中豪雨の影響で広島が大規模な土砂災害に襲われる事態がありました。

避難経路に濁流が流れはじめてしまったら、避難できないのが直感的にわかります。また、被害の状況から1階が埋もれて2階が無事の家屋も見て取れるため、垂直避難の大事さがわかります。

高潮害

台風には「吹き寄せ効果」「吸い上げ効果」という二つの効果があり、海面が異常なほどに持ち上がることがあります。これが高潮(害)です。

海が近い地域は「高潮ハザードマップ」がありますので、想定されている被害の程度を確認しておきましょう。下でご紹介する動画では「小倉駅」が高潮により3m浸水するシミュレーションが3Dで再現されています。

防災士うめい

今回は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました!
SNSやYoutubeも是非フォローしてくださいね♪
XインスタYoutube

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次