こんにちは、もしもにスタジオ代表の防災士うめいです。
このサイトでは「防災をデザインする。」をテーマに防災に関するお役立ち情報を発信しております。
この記事では、テレビや雑誌など、複数のメディアで活躍されている辻直美さんの著書「レスキューナースが教えるプチプラ防災」についてご紹介します!
お金をかけずに防災の準備をしたい
「レスキューナースが教えるプチプラ防災」がどのような本か知りたい
まずはできることから簡単に防災をしたい
第一線で活躍する辻直美さんの著書、気になるにゃん~♪
暮らしに取り入れたい防災アイデアが見つかる
今回は防災をはじめたばかりの「防災初心者」の方におすすめの一冊。「レスキューナースが教えるプチプラ防災」をご紹介します。
この本をオススメしたい人
「レスキューナースが教えるプチプラ防災」をオススメしたい人は、低予算で防災品を揃えながら、基本的な「防災マインド」を身につけたい人です。
著者の辻直美さんは、レスキューナースとして複数の被災地での救助活動を経験され、現在も防災界の最前線で活躍されいる方です。そして辻さんご自身も、阪神淡路大震災と大阪府北部地震で2度被災された経験があります。
辻さんは2018年に「大阪府北部地震」で震度6弱が自宅を直撃したにもかかわらず、調味料が4本倒れるだけの被害だったそうです。そして、たった30秒で通常の生活に戻れたとのこと。
一方で同じマンションのお隣さんは部屋がめちゃくちゃになり、1ヶ月半も住めなくなってしまったそう。
その差はどこにあったのか。
辻さんの防災術が、この本を読むことでわかります。
レスキューナース(災害ナース)とは、災害時に被災者が健康レベルを維持できるように、被災地で適切な医療・看護を提供する役割を担うナースです。
この本は辻さんの経験から、地震に強い家づくりのコツや災害時に生き延びるためのアイデアが、余すことなく紹介されています。
例えば、キッチンやリビングなど、部屋別にどのような防災対策が必要かを写真付きで分かりやすく説明しています。さらに、ただの防災グッズの紹介にとどまらず、普段使っているものをどう防災に活かせるかの視点でアイテムが紹介されています。
災害時の料理アイデアや、地震対策以外の防災についても掲載されており、災害対策の入門書としては大変読みやすく、実用的な本となっています。
『プチプラ防災』3つのポイント
整理収納アドバイザー防災士が共感した3つのポイントを紹介するにゃん~♪
1.少ないものでシンプルに暮らす「ツジナオ流・防災術」
まず、モノを少なくしてすっきり暮らすことが、災害時の怪我や圧死リスクを下げるというポイント。
「備える」ということは防災において大切なことです。一方で、防災グッズや備蓄品で部屋が溢れてしまう方もいらっしゃいます。モノが多い家では、地震で「モノ」に押しつぶされてしまうリスクが高くなります。そうなってしまってはせかっくの「備え」が本末転倒になってしまいますよね。
辻さんは、防災に一番有効なテクニックとして「少ないモノで暮らす」ということを挙げられています。
しかし、モノを減らしただけでは、いざという時に必要なモノが足りなくなってしまいます。そこで、代用テクニックを駆使して『防災専用のモノ』はなるべく買わず、非常時は普段使っているアイテムを防災に活かすという方法を紹介されています。
私も整理収納アドバイザーとして、もなるべく余計なモノを持たないシンプルな暮らしをご提案しています。
それに加えて、ただモノを持たないのではなく、普段使っているものを賢く代用して災害時に活かしていくというのが「ツジ・ナオ流」の防災術です。
どんな代用方法があるのかは、ぜひ一度本を読んでみてくださいね。
2.「3つ以上の用途」があるものしかもたない
辻さんはレスキューナースとして被災地に出向き、数々の人命救助の現場に訪れました。
そこで目の当たりにしたのは、大量の服に埋もれて亡くなっている方や、大量の本で圧死している方だったそうです。
辻さんはその光景を目にし、大量にモノを持つ生活に対する認識を改めたそう。
そこで、モノ減らす工夫としてどんなものでも「3つ以上の用途があるものしか持たない」と決めたそう。
「複数の用途があるモノを持つ」という考え方は、近年「フェーズフリー」という言葉となって、徐々に浸透し始めています。これは、「平時にも使えるが、非常時にも使える」というのがポイントです。
例えば、下のコップは平時はただの使い捨てコップです。しかし、コップの外側にはメモリ線が描いてあり、非常時には計量カップになります。赤ちゃんがいる家庭などは、被災時に計量カップがなくて粉ミルクが作れないケースがあります。
そういったときに、このようなアイテムがあれば大変便利ですよね。
辻さんは「フェーズフリー」という言葉が出てくる前から、「複数の用途を持つモノ」を選んで使っていたそうです。本書では他にも『複数の用途をもつモノ』が紹介されています。
どんなモノがあるか気になる方は、是非本書を手に取ってみてください。
「いつも」と「もしも」の両方で使えるものは「フェーズフリー」と呼ばれているにゃん~
3.必要なのは「モノ」より「知恵」と「テクニック」
最後に防災は「モノ」に頼るだけではない、という話です。
多くの人は防災と聞くと、反射的に「防災グッズを揃えよう」という、モノ的思考に走りがちです。しかし、辻さんは必要なのは「モノ」よりも「知恵」や「テクニック」だと、伝えています。
むしろ、何も考えずに防災グッズを大量に買うだけの行為は本質的な「防災」ではありません。
巨大災害は想定外の連続です。その時、あなたを助けてくれるのは「モノ」ではなく「知恵」や「テクニック」です。
大切なのは防災グッズを大量に持つことではなく、想像力を目一杯働かせて、今あるモノで困難を乗り超えるテクニックと経験が必要と伝えています。
もし、必要な防災グッズがなくても「何かで代用するテクニック」があれば良いと、辻さんは言います。そのようなテクニックがあれば、必然的に「モノ」は減り、部屋が「モノ」であふれることはなくなります。
結果として「モノ」に押しつぶされて命を落とすリスクを減らすことができるのです。
どのような「代用テクニック」があるか気になるは、ぜひ本書を手に取ってみてください。
「レスキューナースが教えるプチプラ防災」を読んで、プチプラ防災と代用テクニックを身につけよう
辻さんの本で紹介されているアイテムは、タイトル通りどれも少額で購入できるものばかりです。「防災グッズ」というと「使用頻度が低いのに高額なアイテム」を思い浮かべる方も多いですが、実は100均などで安価に買うことができるアイテムもたくさんあります。
この本を一度読めば、災害時に「あるものを代用して生き延びる」テクニックや具体例を知ることができます。
防災初心者の方におすすめな一冊「レスキューナースが教えるプチプラ防災」を、ぜひ手に取ってみてください。
おまけ:辻直美さんからコメントを頂きました
辻直美さん、ありがとうございます!
「レスキューナースが教えるプチプラ防災」 の基本情報
基本情報
タイトル:レスキューナースが教える プチプラ防災 (扶桑社BOOKS)
本の長さ:161ページ
出版社:扶桑社
発売日:2019/11/30
阪神・淡路大震災で実家が全壊したことを機に災害救助に目覚めたレスキューナース・辻直美が実践する「お金をかけずに命を守る防災テクニック」。
100円ショップで買えるものや家にあるものでできる限り防災グッズを代用し、災害に強い家の作り方や、非常用持ち出し袋のアレンジ法を解説。
著者宅は、2018年の大阪北部地震で震度6弱の直撃を受けましたが、本書で紹介する対策をしていたおかげで、無傷。
一方で、同じマンションのお隣の部屋は1か月半も住めなくなる被害が出てしまいました。
防災グッズをあれこれ揃えても不安が尽きない人に、「生き抜く自信」が持てるように必要な知識と代用テクニックを伝授します。
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