こんにちは、もしもにスタジオ代表の防災士うめいです。
このサイトでは「防災をデザインする。」をテーマに防災に関するお役立ち情報を発信しております。
今回は「外出時の熱中症対策」についての記事です。
どのような熱中症対策があるか知りたい
今の熱中症対策では足りないと思っている
年々、暑さが厳しくなってきていると感じる
時は、地球沸騰時代!熱中症対策のアップデートが必要!?
2023年7月。国連のグテーレス事務総長はこのように発言しました。
“the era of global warming has ended” and “the era of global boiling has arrived.”
(地球温暖化の時代は終わり、そして、「地球沸騰時代」を迎えた)
引用元:https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/630694
「地球沸騰化の時代が来た」国連グテーレス事務総長 今月の世界平均気温は観測史上最高の見通し(TBS NEWS DIG)
“boiling”というワードには「沸騰する」というほかに「うだるような暑さ」という意味があるようで、グレーテスさんが「沸騰」という意味合いで発言をしたかは定かでないです。
しかし、埼玉に住むいち市民としては、もう絶対に地球は沸騰していると思うほど暑い夏を肌で感じています。
そして、思いました。
今までの暑さ対策が通用しない時代に突入したにゃん…
これまでの常識を見直し、熱中症対策をアップデートするにゃん!!!
そうです。今までの暑さ対策のままでは、命を守ることができないところまで来てしまいました。
どのくらいの暑いと熱中症の危険が高まる?
熱中症患者は「31度」で発生し「37度」超えると激増する
どのくらい暑いと熱中症の危険があるのでしょうか。
実は、「熱中症発症の発生率」と「最高気温」には関係があるようです。
下のグラフを見ていただくとわかるのですが、「31度」を超えると熱中症患者があらわれはじめ「37度」を超えると(特に高齢者の方が)極端に熱中症患者が増加してます。
年齢階級別・日最高気温別に見た熱中症患者発生率(東京23区)
引用:https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/32/10-11.html
国立環境研究所「熱中症患者の発生状況と今後の予測」
そして、2023年7月の東京の最高気温を見てください。
https://weathernews.jp/s/topics/202307/290095/
ウェザーニュース「史上最も暑い7月か 国連総長は「地球沸騰化」とコメント 日米で猛暑連続記録」
連日のように命の危険が迫る37度近くを記録していることがわかります。
「暑さを和らげ快適に過ごす」という目的から「暑さから逃げ、命を守る」という目的へと考えをシフトチェンジしなければいけない時代になったのがおわかりいただけましたでしょうか。
そのためには、今までの暑さ対策の常識を見直し、地球沸騰時代を生き抜くために熱中症対策をアップデートする必要があるのです。
1日に2回発表される「熱中症アラート」を気にしてみよう
実際には、気温だけでなく、湿度や周囲の日射環境を評価して発令される「熱中症アラート」を気にしていただくと方が良いです。
「熱中症アラート」は馴染みがない方も「運動は原則中止」という表示などを気にすると良いにゃん♪
このアラートは熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日の前日17時又は当日朝5時の1日2回、都道府県ごとに発表されます。
どのようなアラートがでているかにも注目し、アラートが発表された場合は不要不急の外出を控えるのが良いでしょう。
引用:https://tenki.jp/forecaster/t_yoshida/2023/07/09/24113.html
tenki.jp「あす10日 広く熱中症警戒アラート発表 東京都など今年初めて とるべき行動は」
熱中症アラートは「暑さ指数(WBGT)」で熱中症の危険度を評価して発令するにゃん。詳しくは気象庁の資料が参考になるにゃん♪
熱中症を左右する要素は3つ!「環境」「からだ」「行動」
環境省が発行している「熱中症予防ガイダンス」によると、熱中症を引き起こす要素には大きく3つの要素があります。「環境」「からだ」「行動」です。
熱中症の要因1「環境」
熱中症を引き起こすような「環境」の要因例として以下のような要素が挙げられています。
- 気温が高い
- 湿度が高い
- 風が弱い
- 日差しが強い
- 締め切った室内
- エアコンがない
- 急に暑くなった日
熱中症の要因2「からだ」
熱中症を引き起こすような「からだ」の要因例として以下のような要素が挙げられています。
- 高齢者、乳幼児、肥満
- からだに障害のある人
- 持病
- 低栄養素状態
- 脱水症状
- 体調不良(二日酔い、寝不足)
熱中症の要因3「行動」
熱中症を引き起こすような「行動」の要因例として以下のような要素が挙げられています。
- 激しい運動
- 慣れない運動
- 長時間の屋外作業
- 水分補給がしにくい
自分でコントロールできるのは「行動」>「からだ」>「環境」
熱中症を引き起こす3分類の中で、自分でコントロールしやすいのは「行動」です。
ですから、何より行動を変えるのが一番の熱中症対策と言えそうです。
無理して外出しない、危険な暑さの日は運動を控えたり、運動する時間帯をずらすなどの行動を変える工夫や決断力が必要だにゃん!
とはいえ、酷暑日に外出せざるを得ないのも、人間の悲しい性。
「部活休みます!」「営業はリモートに切り替えます!」「工事は中止です!」
とは、なかなか言いずらいですよね。
そこで、次にコントロールしやすいのが「からだ」です。
良く寝て、栄養のあるものをしっかり食べて、水分補給をする、お酒はほどほどに。
基本的なことのようでいて、こちらも意識することが必要です。
特に、外出や運動を翌日に控えている場合はしっかり休むことが大切ですよ。
それでも酷暑は私たちを襲ってきます。
そこで、熱中症対策グッズを使ってより過ごしやすい「環境」を作っていくことが必要なんですね。
ここから先は、熱中症対策に必要なグッズをご紹介するにゃん♪
地球沸騰時代に熱中症にならないための新常識アイテム
地球沸騰時代でも、外出しなければいけない日はありますよね。酷暑日・猛暑日に外出をしても熱中症にならないために必要な新常識アイテムをご紹介します。
グッズ暑さが厳しい日は長時間の外出をせずに、
涼しい屋内で過ごすのが一番の対策にゃん!
【新常識1】男女関係なく、日傘を持ち歩こう!
地球沸騰時代に一番おすすめしたいのは、日傘です。
少し前までは、日傘というと女性だけのアイテムと思われがちでしたが、時代がは変わりました。
男女関係なく、命を守るために日傘をさす時代です。
環境省によると直射日光を避けることで3から7℃、体感温度が下がると言われています。
雨の日に男女関係なく傘をさすのと同じように、猛暑日には男女関係なく傘をさすのが当たり前の時代になっています。日傘を堂々とさしている男性の方が、リスクを冷静に判断して適切な行動をとれるという点でクールです。
オダジョーも日傘男子にゃん♪
引用:https://wpc-iza.jp/
防災士的には、天気に関係なくコンパクトな晴雨兼用傘を持ち歩くのがオススメです。
最近はゲリラ豪雨の頻度も増えてきております。
晴雨兼用傘を持ち歩くだけで、熱中症対策+ゲリラ豪雨対策の両方が対策できてしまいます!
夏は毎日傘を持ち歩いていると安心ですね♪
私の経験から、折りたたみの日傘選びで迷ったら、コンパクトさを重視するのがおすすめです。
折りたたみ日傘は親骨50cm~60cmが多く売られています。
一般的に親骨50cmは女性用、60cmは男性用とされています。
私は最初「日陰が多く取れる60cmの傘が良い」と思って購入したのですが、持ちあるくたびにかさばってしまい、だんだん持ち歩くのが嫌になってしまいました。少し小さくても、コンパクトでどんなカバンにも入るような傘であるほうが、結果的に持ち歩き頻度もあがり、熱中症やゲリラ豪雨から身を守ってくれる確率が上がると考えます。
それに、親骨60cmの日傘と53cmを両方使ってみましたが、ひとりで利用するなら53cmでも全く問題ありません。「コンパクトさ」を重視して選んでみてくださいね。
ちなみに、私は店舗を色々回ってみた結果、男性用の日傘はWPC.のIZAが最高という結論に至っております。
【新常識2】万能選手「凍らせたペットボトル」を常備せよ!
世の中に、色々な冷感グッズは出ていますがコストもかからず、効果も高いのは「凍らせたペットボトル」を持ち歩くのが良いです。
冷凍したペットボトルは、地球沸騰時代の救世主です。以下のように様々な使い方ができます。
・溶けたら飲むことができる
・首や脇に挟んで身体を冷やすことができる
・部屋に置いておくことで湿度を下げることができる
・停電時に冷蔵庫内の保冷剤として使う事ができる
・他のグッズと組み合わせて使うことができる
上記のように水分補給としての活用はもちろんのこと、外出先で体温が上がってしまった時は、太い血管のある「首」「脇」「足のつけ根」を冷やす=冷凍ペットボトルを当てると体温を下げることができます。
少し裏技的な使い方ですが、寝苦しい夜などに、冷凍ペットボトルを枕元に置いておくだけで湿度を下げてくれるため、涼しく寝ることができるという効果もあります。(こちらのブロで実験結果が見れます)
また、停電リスクの高まる台風接近時には冷凍ペットボトルを大量につくっておくことで、停電時の熱中症対策にもなります。毎年のように台風の通り道となっている沖縄の方は、大量の水を凍らせておき、停電時には冷蔵庫を冷やしたり、飲み水に使っているそうですよ。
ペットボトル全部凍らせるとすぐに飲めないので・・・
半分凍らせて、半分は液体のまま冷やして合体させて(!?)持ち歩く方法もあるにゃん♪
冷凍ペットボトルで全身を冷やす!?画期的アイテム
凍らせたペットボトルを使った全身を冷やす服もあるんです。これなら、身体を冷やしながら、いざという時は飲み水も確保できて一石二鳥ですね。
使い捨てペットボトルよりも経済的!?冷凍できる「折りたためるシリコンボトル」
ところで、冷凍ペットボトルには少し注意事項もあるので見ていきましょう。
夏場は雑菌の繁殖に気を付けるのにゃん・・・
ペットボトルは「冷凍専用」のモノを使いましょう。冷凍に対応していない通常のペットボトルを凍らせてしまうと、膨張・破裂の危険があります。
また、夏場は細菌が繁殖しやすいため、一度口をつけたペットボトルは再利用せず、都度購入するのが良いそうです。
しかし、毎回冷凍ペットボトルを購入するのもコストがかかってしまいます。かと言って、ペットボトルは煮沸消毒ができず、口が小さいため中まで綺麗に洗浄できません。
そこで、冷凍&煮沸消毒もでき、使い終わったら折りたためるシリコンボトルも効果的です!
毎回、冷凍ペットボトルが購入できない方はこちらもお試しください♪
おまけ:2100年の天気予報。東京の最高気温は「43度」に。
最後に、これから先「地球沸騰」はどこまで進んでしまうのか見てみましょう。
環境省が2019年に発表した衝撃的な映像があります。このまま有効な対策を執らずに地球温暖化が進行した場合の、2100年の「天気予報」です。
引用:https://www.env.go.jp/press/107008.html
環境省「2100年 未来の天気予報」(新作版)の公開について
熱中症対策と同時に一人ひとりができる地球温暖化対策をするにゃん!
これからますます、熱中症対策が欠かせないですね。また、同時に地球温暖化対策も必要です。
節電・節水・エコバックの持参・ゴミの分別などが積み重ねが、小さくても私たちにできることです。
熱中症対策と一緒に地球にやさしい生活もしていきましょう。
日本に住む場所がなくなってしまう前に・・・。