こんにちは、もしもにスタジオ代表の防災士うめいです。
このサイトでは「防災をデザインする。」をテーマに防災に関するお役立ち情報を発信しております。
今回は「賞味期限切れの缶詰は食べられる?」についての記事です。
賞味期限切れの缶詰を発見して、食べられるか知りたい方
10年以上賞味期限が切れた缶詰が大丈夫なのか知りたい方
古い缶詰を食べる時のチェックポイントを知りたい方
缶詰の賞味期限と保存方法を確認
「非常食」と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは「缶詰」だと思います。
実は、約100年前の関東大震災をきっかけに日本に文化として根付いた缶詰。阪神淡路大震災・東日本大震災と、多くの巨大地震を経験する度に、その経験を教訓に新たな缶詰が開発され、今日もなお進化する分野でもあります。
缶詰のは長持ちするイメージをお持ちの方も多いですが棚の奥で備蓄保管をしていて、気づけば何年も前の缶詰だった…というのはよくある話です。
今回は、そんな古い缶詰を発掘してしまったであろうアナタにお届けする、「賞味期限が切れた缶詰は食べられるか?」という話題をお届けします。
お魚の缶詰は大好きだけど、賞味期限切れはおなかを壊さないか気になるにゃん…
ちなみに、1978年に誕生し、今なお進化を続けるサバイバルフーズは「賞味期限25年」の圧倒的な賞味期限の長さ。にも関わらず、お湯で戻せば心温まる激ウマ雑炊になるし、お湯が無ければそのまま食べても美味しいという奇跡の缶詰。おすすめです。
「賞味期限」か「消費期限」は似ているようで全く違う!
まず、「消費期限」が設定されていた場合は必ずその期限までに食べてください。「消費期限」は「安全に食べられる期限」なので、その期限を過ぎたものを食べてしまうと安全ではないということです。
一方「賞味期限」は「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」と決まっています。安全に関する期限ではないのが重要なポイントです。
そして、缶詰のほとんどが「賞味期限」を表示しています。「賞味期限」は、安全に関する表示ではないため、「ちょっとくらい過ぎても大丈夫」と思っている方が多いでしょう。一方で、「どのくらい過ぎたら大丈夫か」は人それぞれ感覚が異なるようです。
保存方法には充分に気を付けて
「賞味期限」と同じくらい大事なのが、保存方法です。
缶詰を見れば必ず「保存方法」が書いてありますので、一度見てみてください。この保存方法を守って保管できているかがポイントになります。
特に、非常食のような「いつ使うかわからない、大量に買っているモノ」は悪条件の場所に保管しがちです。例えば、直射日光が当たるベランダに置いてあったり、換気ができないような保管条件の悪い倉庫に保存していた場合、賞味期限は保証されません。
酷暑日の高温や、氷点下の環境にさらされて缶詰が変形した場合、中の真空が保てなくなります。缶に微細な穴が空いてしまうと、缶詰内に微生物が混入してしまう可能性があります。
もし、食べるか迷っている缶詰が、過酷な場所に保存されていた場合は、賞味期限に関わらず食べない方が無難です。保存方法には充分注意しましょう。
保存方法を守って、いつまでも美味しいお魚を食べたいにゃん~♪
缶詰の賞味期限、いつまでなら食べられるのか?
「賞味期限」は「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」であり、保管状態が良ければ賞味期限が切れていても食べられそうです。しかし、1年・2年・3年…と、年単位で賞味期限が切れた缶詰は果たして食べられるのでしょうか。
これはもう、食べたことがある人の反応や、実験結果を集めるしかありません。
そこで今回は、世の中に散らばる賞味期限切れの缶詰実食レポートをかき集めていきたいと思います。
是非、手元にある缶詰が食べられるかどうかの参考にしてみてくださいませ。
当ブログは皆様の判断基準となるための情報提供をしており、その結果における責任は一切負いません。
賞味期限が切れた缶詰を実食される際は、自己責任でお願いします。
賞味期限切れの缶詰を食べて良いかは、缶詰の状態を見る&本能で判断
これから色んな賞味期限切れの缶詰の実食レポートをご紹介していきますが、食べられるかどうかの判断ポイントは大きく2つです。客観的事実と、主観に基づいての判断をしましょう。
ポイント1:缶詰の状態が悪くなっていないか
以下のような状態が悪い缶詰は真空状態ではない可能性があるので、食べるのをやめましょう。
・フタが膨張している
・本体に凹みがある
・さび付いている
・穴が空いている
缶詰は基本的には半永久的に保存が効く食品と言われていますが、あくまでも保存状態が良く真空状態を保ち続けた場合の話です。缶詰の中が真空でなくなっていれば、それはもはや缶詰ではないので食べないようにしましょう。
ポイント2:五感(見た目・におい・ざらつきなど)で異変を感じるか
これから紹介する動画などには、賞味期限を超えた缶詰の実食レポートがあります。本能的に「これはヤバそう」と感じたらすぐに食べるのをやめた方が良いです。
何個か賞味期限切れ缶詰の実食動画を見た結果、本能的に以下のようなことを感じた場合はやめた方が良いと判断しました。
・カビくさい
・金属の味がする
・ざらついた感じがする
・発酵した感じがする
・開けた瞬間、くさい
・中身が小さくなっている
それでも食べたい!という方は上記の通り、自己責任のもと食べるようにようにお願いします。
賞味期限切れの缶詰・10年前の場合
約10年前のライトツナフレークの例
辛坊治郎さんが、9年半前に賞味期限が切れたライトツナを食べる動画です。
ツナ缶を空けた瞬間に「ニオイきついわぁ。」とひとこと。ドロッとしていて、異様に柔らかくなっていたそうです。
一口食べた感想は「海に溺れた感じがします。」とのこと。
※辛坊治郎さんは2013年で海難事故に遭遇し、話題が炎上したことがあります。
さらに「ツナ缶は賞味期限切れたくらいが美味しいとは言うが、いくらなんでも限度がある」とした上で「おススメしません!」とのことでした。
そして、ツナなのに苦みがあるとのこと。見ている限り、食べては良くなさそうな感じがします・・・
10年前のサバ缶の例
続いてご紹介するのは、魚食普及センター様の食べた缶詰より。
10年前に賞味期限が切れたサバの缶詰を譲り受けたそうです。
開封前の見た目(缶詰の膨張の変化)などもなく、匂いにも変化がなかったそう。ただ、「無酸素状態でも増える菌がいる」という理由から、この時は食べなかったそうです。
引用:魚普及推進センター
匂いは特に問題なく、何も知らずに出されたら食べてしまいそうですが、匂いが変わらずに無酸素状態で増える菌もいます。そのため、この缶詰は諦めました。
https://osakana.suisankai.or.jp/s-other/5676
賞味期限切れの缶詰・10年以上前の場合
13年前のツナ缶の例
「あいこちゃん缶詰」でお馴染みの伊藤食品さんが、なんと公式動画として13年前のツナ缶を実食しています。メーカーさんが直接、缶詰は「基本的には半永久的に保存が効く食品」ということを仰っている貴重な動画です。
社員さんと思われる方が実際に食べていますが、普通のものと全く変わらずに食べられたようです。
メーカーさんの公式動画ですので、かなり保存状況が良かった缶詰を食べているものと思われます。
16年前の自衛隊戦闘糧食Ⅰ型・ウインナーソーセージ及びたくあん漬けの例
こちらは16年前の缶詰が発掘されて、それを実食レポートされている高岡防災さんの動画です。
高岡さんのXの投稿からご覧ください。自衛隊戦闘糧食Ⅰ型というのは、缶詰のことです。
ちなみに、戦闘糧食Ⅱ型はレトルトパウチのことです。
まだ下痢嘔吐無し!身体張ったけど生き残れた!笑https://t.co/XArQv7ND16
— 高岡防災 (元消防士の防災士/元自衛官) (@hazardzero119) October 23, 2023
16年前の缶詰を食べた高岡さんの感想は…
▼ウインナーソーセージ
「特に変な味もせず、全然いけます!昔と比べて食感や味が違かったり、するけれど人生で初めて食べたら『なるほどこういうもんか』という感じ」
▼たくあん漬け
「食べれます。食べれますけど、自衛隊時代に食べたのはスーパーで売っている缶詰と遜色ない感じだった。これは、ものすごく田舎に行って伝統的な漬け方でつくったクセのあるたくあんという感じ。おそらく腐ってはないんだろうという感じはします。」
ちなみに、高岡さんはその後無事、生き残っているにゃ♪
20年前のパイナップル缶詰の例
ミュージアムの準備をしていたところ、古い民家から発掘された賞味期限が約20年前の缶詰。
これが食べられるのか?という素朴な疑問から、色々調査し始めた武庫川女子大学の皆様の研究結果を引用します。
結論をざっくり解釈すると…「缶詰とひとくちにいっても、シロップ漬けやら果物やら野菜やら、いろんな缶詰があるから、もっといっぱい調査しないとわからないです」ということでした。
なお、研究に使ったパイナップルの缶詰は、缶詰自体が劣化していて真空状態ではなくなっており、細菌やカビは確認できなかったものの、品質が変化して食べることはできないと判断したようです。
ブリキ缶の内部が灰色であったことから、流出したスズがパインアップルに多量に含まれている可能性がある。高濃度のスズの摂取は食中毒の原因となることから可食できないと判断された。
(中略)
引用:古い缶詰は食べられるのだろうか?-経年劣化したパインアップル缶詰の外観および成分分析-
「20年以上前の古い缶詰は食べられるのでしょうか?」に対して明確に回答するためには、より多くの缶詰の調査が必要であろう。
https://mukogawa.repo.nii.ac.jp/record/2184/files/P09-16.pdf
40年前の五目ごはん・牛めしの例
たぶん、食べてはいけないレベルのモノを実食しているのは元自衛隊&サバイバル芸人のトッカグンさん。
2つの動画に分けて、視聴者から送られてきたという40年ほど前と思われる缶詰を実際に食べていますが、何口か食べてやめています。
最初は普通っぽいようですが、後からカビ臭さや苦みを感じたとのこと。食べて、なんかヤバそうだな、と思ったら本能を信じて食べるのをやめるのをお薦めします。
参考:フランスのビンテージオイルサーディン缶詰
フランスにはサーディン(いわし)の缶詰を敢えて熟成させて食べるという文化があるようです。熟成しているほど希少価値があるとされており、10年物などが「賞味期限」が切れた状態で売られているそう。
実際に食べた方がある方のコメントも見つけました。
筆者もあるフランスの雑誌の企画で、サーディン缶の食べ比べをした時に、10年以上前の缶詰が新しいものよりずっとフレッシュに感じられおいしかったのに驚愕した記憶がある。
引用:webふらんす
https://webfrance.hakusuisha.co.jp/posts/2558
賞味期限切れの缶詰は食べられる?のまとめ
結論として、10年以上賞味期限が切れた缶詰については、美味しく食べている方は少なかったです。
見た目が大丈夫でもカビや金属の風味がして違和感を感じている場合もありました。
私個人的には、賞味期限が切れないように在庫管理をして、10年も経過したものは災害などの緊急時以外食べないのがよさそうです・・・