「防災士 役に立たない」と検索サジェストで出てきたり、ニュースのコメント欄で言及されることがあります。
この記事ではなぜ、防災士が役に立たないと言われてしまうのかを深掘り、防災士の資格を活かすための考え方を整理していきます。
検索「防災士 役に立たない」で驚いたあなたへ
こんにちは、もしもにスタジオ代表・防災士のうめいです。
「防災をデザインする。」をテーマに防災情報や防災ノウハウを発信しています。
防災士うめい 【 X・Instagram・Youtube ・note】
・防災士試験を全問正解で合格
・インテリアコーディネーター/整理収納アドバイザー
・マーケターが提供する防災事業向けマーケ支援サービスはこちら
防災士というキーワードで検索していたら、「役に立たない」とサジェストされた皆様。こんにちは!防災士うめいです。
突然、「防災士 役に立たない」と検索に出てきたら驚いてしまいますよね…。
「これから防災士の試験を受けるのに、役に立たないの!?」
「知り合いが防災士を名乗っていたけど、役に立たない資格だったんだ」
「自分は防災士だが、役に立たないだと!?けしからん!」
など、さまざまな感想があるかとおもいます。
そこで今回は、「防災士 役に立たない」で検索されている理由と、本当に役に立たないのか?を解説していきます。


防災士が「役に立たない」の2つの文脈
まず結論として、「防災士 役に立たない」というキーワードには大きく2つの意味で語られていそうです。
- 防災士の資格が役に立たない
- 防災士が被災地入りしても役に立たない
これについて、順番に解説していきます。
防災士の資格「役に立たない」と言っている人の意見
防災士が役に立たないとコメントしている方の意見を見ていきましょう。
防災士は履歴書に書いても評価されないのか?
こちらは、ヤフー知恵袋に2014年に投稿された質問とそのベストアンサーです。
古い情報ですが、未だに検索上位でヒットするので、その内容を見ていきましょう。
今度『防災士』と言う資格をとることになりました。 どうせ資格をとるなら就職の時に履歴書にかけると自分にとってもメリットがあるのですが…。 試験料が8000円なので迷ってます。 履歴書に かけるのかどうか教えてください。
引用:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14136111004
引用:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14136111004
さて、回答が長文のため、最初の数行でカットさせていただきました。
気になる方は、ヤフー知恵袋のページで全文をご覧ください。
実はこの質問、「防災士 役に立たない」で検索すると、2025年12月の今でも上位に表示されるため多くの方が目にする回答です。
しかし、ベストアンサーの回答は「行政への不満」などに対する話題にも言及しており、感情的に回答しているように見受けられます。
「(履歴書に)書いてもいいけど、評価されない」とコメントされていますが、これは状況次第といえるでしょう。
確かに「防災士」を取得した事実だけを履歴書に記載しても、資格自体を直接評価をしてもらえるケースは稀でしょう。一方で、あなたが「なぜ防災士の資格を取ろうとしたのか」「防災士を生かしてどういった成果を残したのか」など、防災士の資格取得に肉付けできるストーリーがあると、そこに意味が生まれます。
防災士が「役に立たない」と思わせないための、履歴書で評価されるストーリー例
・防災士の知識を活かし、バイト先で「避難マニュアル」の見える化プロジェクトを提案し、全国の支点に導入されました。
・防災士取得後、社内で初となるBCP(事業継続計画)の勉強会を自主開催しました。
・防災士の資格を活かし、自主防災組織リーダーとして20名を超える地域住民を取りまとめてきました。
履歴書に書いて、役に立たせることができるかは『あなた次第』ということです。
私は防災士の資格をきっかけに、個人事業主として防災に関わる方々を支援する事業を立ち上げました。
このように、防災士にまつわる『プラスアルファ』のストーリーがあれば、履歴書に書いたとしても、就職活動や転職活動をする上で活きてくる可能性があります。
転職で役に立たない人気資格って本当?
「防災士 役に立たない」で検索すると、転職に役に立たないという話も出てきます。
「未来転職」というサイトの「転職で役に立たない人気資格」の一番目として防災士が挙げられています。
引用:https://tensyokuknowhow.com/knowhow154/
上記のページでは、以下のような点を理由に防災士の資格が「本当に嫌い」と言っています。
・防災士の受験費用は6万円と高額
・日本防災士機構という総務省の天下りNPO団体が運営している
確かに、『転職に役に立ちづらい資格』という視点で考えると、資格単体では転職に活かしづらい資格です。
受験費用も地域によっては6万円以上と高額で、日本防災士機構には多くの役員がおり、元政府関係者や大学教授などが名を連ねているのも事実です。

ただ、それと「防災士が役に立たないか?」という問題は全くの別問題です。
前述の通り、あなたの人生に防災士の資格を役に立たせるのか、役に立たせないのかという問題であり、受験費用が高いことや運営団体への批判と、『資格の価値』は別問題です。
上記のように、資格を取得していない第三者の意見を鵜呑みにするのは早計でしょう。また、受験費用については地域差があり、自治体によっては無料で資格取得できるケースもあります。
コラム:防災士の受験費用は確かに高い
防災士の養成講座が高額であることについて、日本防災士会の副理事長が「確かに高い」としつつ、値段を決めているのは日本防災士会ではなく「日本防災士機構」のためなぜその価格設定になっているかはわからないそうです。
とはいえ、最近では受験費用の助成をしている自治体もあるので、受験を検討されれている方は諦めずに調べてみてくださいね。
引用:新番組『月刊四番隊 災害ボランティアの光と闇 支援とカネ』第4回 日本防災士会副理事長が語る!
合格しても知識を活かせる機会は少ないのか?
他にもほかのサイトでは、以下のような意見がでてきます。
合格しても知識を活かせる機会は少ない
防災士って名前がカッコいいですから、合格すれば話しのネタにはなるかもしれません。
しかし、お金さえ払って養成研修講座を受ければ誰でも合格できる民間資格です。
履歴書に書いても就職・転職は有利にはなりません。
就職を控えた大学生や高校生の中には防災士の資格を取得する学生もいますが、防災について興味があるくらいのアピールにしかなりません。
もちろん消防の採用試験には全く影響ないです。
さらに、職場で役に立つ機会もほとんどないでしょう。
引用:https://moguchan.info/entry92.html
「本当に役に立つ資格 あまり役に立たない資格」というサイトで、防災士ではない運営者が「徹底的に調べた上で解説している」内容だそうですが、残念ながら間違えています。
「お金さえ払って養成研修講座を受ければ誰でも合格できる民間資格」と書いていますが、最終的にはテストの合否で決まるため、「誰でも合格できる」わけではありません。
さらに、「職場で役に立つ機会もほとんどないでしょう。」と、運営者の憶測で書き込みがしてあります。しかし、残念ながらこの話には何の実体験も伴っていません。
もしもにゃん憶測で語らないでほしいにゃん!
私の経験からすると、職場で役に立つ可能性は大いにあります。
「防災士」の肩書を活かしてセミナーで顧客を集客したり、BCP関連のコンサルティングにも使えます。営業の小ネタに使えますし、開発者として”ものづくり”にも活かせます。
上記のような情報は、「防災士の資格が本当に役に立つのか?」と悩むあなたに寄り添うことのない、ノイズの意見です。気にしないようにしましょう。
繰り返しになりますが、自ら「防災士の資格を活かそう」と考えている人には必ず役に立つ資格です。
防災士が被災地域に入っても「役に立たない」
そして、もうひとつの意味は防災士が被災地入りしても「役に立たない」という文脈で語られることがあります。
防災士の資格は「座学による講習」と「救命救急講習」を受講する機会があります。
しかし、被災地での活動経験などは問いません。
そのため、「知識だけはあるが、被災現場で何をしていいかわからない・口だけ出してくる」という意味で「役に立たない」と言われてしまうことがあるようです。
私は「被災地入りしたことのない防災士」のひとりですが、自分が被災地で『役に立たない防災士』になってしまう可能性は十分にあると思っています。
引用:新番組『月刊四番隊 災害ボランティアの光と闇 支援とカネ』第4回 日本防災士会副理事長が語る!
「声の大きい一部の人が、防災士(という資格)を傘にして『これが正しい』と被災地で口出しをしてくる」というケースもあったらしく、現場で何度かそういう経験をされた方にとっては「防災士=被災地では役に立たない(人)」というイメージになってしまうようです。
ただ、以下の動画を見ていただくとわかりますが、多くの防災士は被災地入りしても真面目に取り組み、助け合って活動しているという話でした。
そもそも、防災士は被災地入りを求められるような資格ではありませんが、防災士の肩書で被災地救助に入る方もたくさんおられます。
一部の声の大きい防災士によって、役に立たないイメージになってしまうのは悲しいことですね。
防災士が役に立たないか、役に立つかは自分次第
「防災士が役に立たないかもしれない…」と思ってしまった、あなた。
安心してください。もし、あなたが何か目的や夢があって防災士を取ろうとしているのであれば、それは必ずあなたの人生に役に立ちます。そして、私自身が防災士になり、防災士の多くの仲間に出会い、人生に役に立つ資格だと感じています。
もちろん、防災士の資格試験を受けることで、防災の基礎的な知識を身に着けることができるので、それだけでもあなたの人生にとって役に立つことになります。もしかしたら、「防災士」という資格勉強で得た知識が、いつか来る災害時にあなたや、あなたの大切な人の命を救うことになるかもしれません。
一方で防災士の資格が「役に立たない」と思っている人もいます。それは、就職や転職のときにの「資格」として役に立たないと言っているケースが多いようです。もし、あなたが就職活動のために、肩書のためだけに防災士を取ろうとしているのであれば、私もおすすめしません。
防災士は素晴らしい資格
個人的には、防災士は素晴らしい資格だと思っています。
なぜなら、時間と費用をかけてでも「災害から人を守る知識を獲得したい」と思った人たちが、防災士だからです。
防災士を最大限に活かせば「人々が災害に巻き込まれないよう、しないように災害から守ること」ができる資格です。防災士の資格取得をきっかけに、多くの人の命を救えるかもしれない。そんな、希望のある資格だと思います。
だとしたら、防災士が何かの「役に立つか、役に立たないか」という議論そのものがナンセンスなのではいでしょうか。
自信をもって防災士の資格を取得し、活かして、私と一緒によりよい世界をつくっていきましょう。



頑張るみんなを、いつでも応援しているにゃん~♪


「防災士が役に立たない」と感じている方からのよくある質問
- 防災士は本当に役に立たない資格なんですか?
-
いいえ、防災士そのものが役に立たないわけではありません。ただし「資格を取っただけで何かができるようになる」と期待すると、ギャップを感じやすい資格です。
- なぜ「防災士は役に立たない」と言われることがあるのですか?
-
防災士は国家資格ではなく、権限や業務独占がないため、資格取得後に目に見える変化が起きにくいことが理由の一つです。
- 防災士を取っても仕事や収入につながらないって本当?
-
多くの場合、防災士だけで仕事が増えたり収入が上がることはありません。実務経験や別の専門性と組み合わせて初めて価値が生まれます。
- 防災士が「意味ない資格」と言われるのはなぜ?
-
受験難易度が低く、比較的短期間で取得できるため、「誰でも取れる=価値が低い」と誤解されやすい点が影響しています。
- 防災士を取って後悔するケースはありますか?
-
「就職や転職に有利になる」と期待して、高額な費用を払って資格取得した場合、思っていた効果が得られず後悔につながりやすいです。
- 防災士は実際の災害現場では役に立たないの?
-
災害現場では資格の有無よりも、経験・判断力・連携力が重視されます。むしろ、「防災士」の肩書を盾に口出しばかりする姿勢は現場から敬遠される傾向にあります。防災士は「現場で指示する立場」ではなく、備えや啓発に強い資格です。
※この記事は2025年12月15日に内容を見直し、最新情報に更新しています。






