こんにちは、もしもにスタジオ代表の防災士うめいです。
このサイトでは「防災をデザインする。」をテーマに防災に関するお役立ち情報を発信しております。
今回は「被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40」についての記事です。
東日本大震災被災者の体験を知り、巨大地震への対策を立てたい
子育て中のパパママとして、具体的な地震対策を数多く知りたい
被災したときにどんなことに困るのか知りたい
1歳半の子育て中に被災されたイラストレーターのアベナオミさんの著書です。被災中にどんな大変なことがあったかの体験と、経験をもとに対策をした40のことが、イラストでわかりやすく解説された本です。
暮らしに取り入れたい防災アイデアが見つかる
今回は「被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40」をご紹介します。
この本をオススメしたい人
「被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40」をオススメしたい人は、1歳~2歳ごろの子育て中の方で、地震に対しての防災をしたい方です。
この本の40のアイデアのうち、26個は「被災時にあって良かったもの」を紹介しています。
残りの14個が「震災時を振り返って、被災後に始めたアイディア」の紹介となっています。
1歳半の子供を育てている時に、東日本大震災が発生し被災者となってしまったアベナオミさん。
被災時に「どんなアイテムあって良かった」のか。そして、「何が足りなくて困った」のかを、実体験を元に記録してあります。
かわいいイラストでわかりやすい、防災入門本
全編を通てイラストで書いてあるため、被災経験のない私でも、東日本大震災による被害がどのようなものだったか、視覚的にわかりやすい印象です。
この本は「読み込んで災害に備える」というより、パラパラとめくっていろんな防災的な気づきを得ることで、防災への最初の一歩を踏み出しやすくする本だと思います。
アベナオミさんのイラストは可愛いので、「被災」の表現も心のダメージが少なく読み進められるにゃん♪
巨大地震が来たらこうやって備えようというイメージを膨らませるための「防災入門本」として、最初に手に取って読みやすい本だと思いました。
想像力こそ身を守る
実際に著者のアベナオミさんも著書の中で想像力こそ身を守ると伝えています。
特に、巻末には著書の中で日本防災士会常務理事の橋本茂さんにインタビューされた内容が掲載されています。
個人的に、非常に重要だと感じたので紹介させてください。
アベナオミさんが橋本茂さんに「防災に一番必要なことは何でしょうか?」という質問をしたところ
「災害をリアルにイメージする力。そして、コミュニケーション力です。自分に起こりうる災害リスクを予想し、災害発生時にベストなタイミングで行動することが大切」
と、回答があったそうです。
被災経験がない人も、「被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40」を読むことで、被災した状況をリアルにイメージし、有事の際に少しでも他の人を助ける行動に移すことが大事ではないでしょうか。
印象に残ったアイディアを5つ紹介
個人的に印象に残ったアイディアを5個ご紹介するにゃん
・充電式掃除機は停電時でも使える
・キッチンバサミはまな板と包丁よりも洗う水が少なくて済む
・救援物資には野菜がほとんどなくとにかく野菜が手に入らない
・おむつはかなりの量(2週間分)が必要だった
・お風呂に入れない時におしりふきが役立った
充電式掃除機は停電時でも使える
被災直後はガラスの破片や植木鉢などが散乱し、自宅がめちゃめちゃになってしまったアベナオミさん。
著書内では家の中が「バーテンダーにシェイカーで振られたかのような状態」と表現していました。
自宅で避難生活を送るためには、散乱したガラスや陶器の破片を片付ける必要があったそうですが、停電している状態ではコンセントにつなぐタイプの掃除機は使えません。
そこで、停電時の掃除には紙パック式の充電式掃除機(マキタの掃除機などのコードレスクリーナー)が役に立ったそう。
“コードレスクリーナー”と聞くと、ダイソン掃除機のようなサイクロン式の掃除機を思い浮かべるが多いと思います。
しかし、サイクロン式コードクリーナーの場合はガラスの破片でクリアビンが傷つくことがあるそうです。被災後の掃除は、割れた食器の細かいガラス片などの清掃などに使う事を想定し、紙パック式の充電式掃除機がよさそうです。
最近ではルンバなどの自動お掃除ロボットが増えており、旧来型の掃除機を持ってい方も増えています。
備えるなら、自動ロボット掃除機だけでなく、コードレス掃除機を準備するとより安心かもしれません。
インテリアコーディネーターの視点からも、マキタの掃除機はデザインが美しく、普段の生活に取り入れるのにもおすすめです。
キッチンバサミはまな板と包丁よりも洗う水が少なくて済む
キッチンにハサミを用意している人は多いと思いますが、しっかりとしたキッチンバサミを用意した方が良いかもしれません。というのも、被災中の料理は特にキッチンバサミが役に立ったとのこと。
まな板と包丁を使った調理だと汚れ物が多く出てしまい、水が貴重な被災時の調理には向いていません。
キッチンバサミを使った料理であれば、まな板を洗う必要もなく、洗い物が最小限に抑えられたそう。使った後に殺菌力のあるウエットウェットティッシュで拭くだけで水洗いも不要だったとのことで、水不足が懸念される被災時には助かりますね。
私のキッチンバサミのおすすめは、フィットカットカーブの多機能料理はさみです。これ一本あれば被災時の料理は乗り切れます。
フィットカットカーブは軽い力だけで段ボールのような硬めの素材があまりにも簡単に切れすぎるため、爆売れした伝説のはさみ。
1シリーズで年間100万丁売れればヒットと言われるハサミ市場で、年間250万本売れたそうです。
大きな肉の塊なども軽い力で切ることができるため、災害時だけでなく普段の”包丁レス料理”でフェーズフリーに活躍できるはさみです。
救援物資には野菜がほとんどなくとにかく野菜が手に入らない
こちらは、被災者ならではの体験談です。救援物資には野菜がほとんどなかったそうです。
野菜不足になってしまうと、体調不良や便秘の原因にもなります。肌荒れもひどくなってくるため、被災時でも野菜の栄養は摂取したいところ。
しかし、保存食というとアルファ化米やカンパンなどの炭水化物が中心となっています。
被災時の野菜不足を補完するためには、野菜ジュースが必須だったと訴えています。アベナオミさんは家にあった青汁で乗り切ったそうですが、青汁は好みが分かれます。
特に、小さいお子さんがいる家庭などでは、野菜ジュースを準備しておくと安心かもしれません。
私のお勧めはカゴメの長期保存用野菜ジュースです。
セールで安いときを狙って買っちゃいましょう。
Amazonでは、3月・9月・12月に安くなる傾向があります。4000円を切ったら即買いかもしれません。
おむつはかなりの量(2週間分)が必要だった
おむつの準備については、子育て中の方は特に注意すべき点かと思います。
アベナオミさんは直前にオムツをまとめ買いしていたことでかなり心理的に救われたそうです。
防災に関する記事で、手作り即席オムツの作り方なども紹介されていることもあります。しかし、新聞紙などを使って作る即席オムツはストレスになります。
普段から使え慣れたオムツなどがあると、お子さんだけでなく、お世話をするお母さん・お父さんも心理的に安心ですよね。
また、おむつは雑巾などの代わりもできるため、子育て中の方は、オムツも2週間分は確保できるよう普段からおむつ購入のサイクルを整えておきましょう。
お風呂に入れない時におしりふきが役立った
子育て中の方は絶対に持っている、おしりふき。
赤ちゃんの肌にも使えるものなので、安心して人の肌を拭くことができます。被災中、お風呂が入れない日はおしりふきを使って体を洗っていたそうです。
大人用の汗拭きシートなどもありますが、制汗剤や香料が入っているものも多く、肌に合わない人がいる可能性もあります。また、除菌シートはアルコールが入ってしまっており、肌を拭くものとして最適ではありません。
おしりふきであれば、あかちゃんのおしりもつかえる優しい成分なため体を拭く際も安心ですね♪
子育てしていない家庭では、こちらのウエットティシューがデザイン的にも美しく便利です。いざというときに身体を拭けるような準備しておくとよいでしょう。
「被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40」 の基本情報
基本情報
タイトル:被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40 東日本大震災を被災したママ・イラストレーターが3・11から続けている「1日1防災」
本の長さ:147ページ
出版社:学研プラス
発売日:2017/2/7
・防災のためにインテリアやファッションがダサくなるのは嫌だなと思う
・日本で災害が起きると一応備蓄してみるものの、続かない
・やらなくてはと思いつつ、何から手をつけていいのかわからない
・非常用セットを購入してみたが、実際役に立つのか不安
・わが家に本当に必要な防災を知りたい
そのような、初めて防災に取り組んでみようという皆さんに、ぜひお勧めしたい1冊です。アベ/ナオミ
Amazon.co.jp
イラストレーター。防災士。宮城県出身。日本ビジネススクール仙台校(現在の日本デザイナー芸術学院仙台校)卒業後、地域情報誌編集部でグラフィックデザイナーをしながらイラストレーターとしても活動を開始。2010年に漫画家としてデビュー。2011年に東日本大震災にて被災し、そのときの様子や防災を伝えるコミックエッセイなどを執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)