こんにちは、もしもにスタジオ代表の防災士うめいです。
このサイトでは「防災をデザインする。」をテーマに防災に関するお役立ち情報を発信しております。
今回は「カセットガスボンベの種類」についての記事です。
カセットガスボンベに種類はあるの？
カセットガスボンベについて、疑問を持ったことはありませんか？例えば、100円ショップには格安のカセットガスボンベが売っていますし、アウトドアショップには高いカセットガスボンベ（※）が売っていたりします。
「中身が一緒なら、安いほうが良い！」と思った方もいるでしょう。
でも、ちょっと待ってください。本当にカセットガスボンベはすべて一緒でしょうか？ズバリ、答えはNOです。
では、何が違うのか？一緒に見ていきましょう！
もしもにゃんカセットガスボンベにはどんな種類があるにゃん？
（※アウトドア界ではカセットガスボンベのことを『CB缶』と呼びます。なお、CBは『カセットガスボンベ』の略です。）
カセットガスボンベのガスの種類と特徴は？
カセットガスボンベの種類は大きく分けて2種類あります。
今回はわかりやすくするため、私が勝手に命名します。
それは「格安ボンベ」「寒さOKボンベ」です。
もしもにゃん「格安ボンベ」「寒さOKボンベ」は正式名称でないので、悪しからずだにゃん
「格安ボンベ」は、安いけれど寒いところで使えない！？
「格安ボンベ」の特徴はほかの製品と比較して、価格が安いことが特徴です。
安い理由はメインに「ブタン」という安いガスを充填したカセットガスボンベだからです。細かいことは後述しますが、「ブタン」は寒さに弱い性質があります。気温が10度以上ほどの場所での利用に適しています。
「寒さOKボンベ」は、ちょっとお高め…でも寒くても使える！
「寒さOKボンベ」の特徴は、「格安ボンベ」と比較すると価格が高くなってしまいます。
しかし、充填されている「イソブタン」もしくは「プロパン」というガスが寒い場所でも点火することができることが特徴です。これにより、0度～10度くらいの寒い場所でもカセットガスボンベを使うことができます。
防災備蓄なら、「寒さOKボンベ」を選んで！
さて、大きく2種類のカセットガスボンベがあることがわかりましたが、あなたならどちらを防災用として備蓄しますか？
金銭的余裕のある人、リスクを大きく評価する人、寒い地域に住んでいる人には「寒さOKボンベ」がおすすめです。もし、金銭的理由で全てを「寒さOKボンベ」にするのが難しい場合でも、せめて1パック3本は「寒さOKボンベ」で準備するのが理想です。
参考までに、過去の大きな震災当日の気温を見てみましょう。
| 震災 | 日付 | 最低気温 (℃) | 最高気温 (℃) |
|---|---|---|---|
| 阪神淡路大震災 | 1995年1月17日 | 1.4 | 8.0 |
| 東日本大震災 | 2011年3月11日 | -2.5 | 6.2 |
| 能登半島地震 | 2024年1月1日 | 2.1 | 8.5 |
せっかくカセットガスボンベを持っていても、当時の状況では「格安ボンベ」では点火できなかった可能性があります。
命を守るため「寒さ対策」が重要で、そのためにはカセットガスボンベが点火できるかは非常に重要です。そのためにも、備蓄品は「寒さOKボンベ」を準備しておいていただきたいです。
「ガス」の種類の違い（ブタン・イソブタン・プロパン）を解説！
このあと、おすすめのカセットボンベを紹介しているので、ガスの種類に興味がない方はスキップしてください。
カセットガスボンベの性能を知るためには、中のガスについても少し知る必要があります。
まず、カセットガスボンベに採用されるガスの種類は3種類です。寒さに弱い＆価格安い順からそれぞれブタン・イソブタン・プロパンです。なお、ブタンは「ノルマルブタン」などと呼ばれることもあります。
ガスの種類の比較を表にしてみてみましょう。
| ブタン （ノルマルブタン） | イソブタン | プロパン | |
|---|---|---|---|
| 他に使われる例 |  100円ライター | – |  家庭用 |
| 価格 | 安 | 中 | 高 |
| 寒さへの強さ | 弱 | 中 | 強 |
| 沸点 | -0.5℃ | -11.7℃ | -42.09℃ |
| 最低使用気温域 | 9.5℃〜4.5℃ | -1.7℃ 〜 -6.7℃ | -32℃ 〜 -37℃ |
上記のなかでも「最低使用気温域」に着目してください。ブタンと比較してイソブタンやプロパンは氷点下でもガスを使用できることがわかります。つまり、イソブタンやプロパンの含有量が高いほうが寒さに強いカセットガスボンベとなります。
ちなみに、「プロパン100%にしたら最強ボンベができるのでは？」と思ったかもしれませんが、圧力が高すぎて取り扱いが危険になります。家庭用ボンベの写真をみていただいてわかるとおり、頑丈なガス管で保管する必要がでてきますので、プロパン含有量は高くできません。
防災におすすめの「寒さOK」カセットガスボンベ
さて、ここまで読んでいただいた皆様はきっと思ったでしょう。寒さOKボンベの具体的商品名を教えて欲しい！と。
ここからは、色々なメーカーの成分を調べ、「寒さOK」だったボンベをご紹介していきます。
イワタニ カセットガス（オレンジ）
まずは、言わずと知れたイワタニのカセットガスです。
イワタニカセットガス（オレンジ）は、ブタン：約70%・イソブタン：約30%で充填されています。
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イワタニにカセットガスにはイソブタンが30%充填されているため、ブタン100%の「格安ボンベ」と比較したら寒さに強いです。公式では「外気温 約10℃以上での使用を推奨」としているようですが、条件によってはもう少し気温が低くても利用できるようです。
ただし、この後紹介するカセットガスはより「イソブタン」の配合率が高くなり、より寒さに強くなるのですが、より価格も高くなっていきます。
防災備蓄するのであれば、お財布と相談しながら選んでみてください。
イワタニ カセットガスパワーゴールド
イワタニカセットガスパワーゴールドは、イソブタン：約70%・ブタン：約30%で充填されています。（※ノルマルブタンはブタンのことです。）
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なお、公式サイトには以下のような説明書きがあります。
イワタニカセットガスパワーゴールドとは、寒い時期での屋外使用を想定した低温時対応ガスで、ブタンガスでも気化率の良いイソブタンの比率を高めています。
■イワタニカセットガス: 外気温 約10℃以上での使用※
引用：イワタニ（http://www.i-cg.jp/support/faq/gas/）
■イワタニカセットガスパワーゴールド：外気温 約5℃以上での使用※
※目安の温度であり、若干下回っても使用（燃焼）できる場合があります。
東邦金属 ゴールドカセットボンベ
東邦金属 ゴールドカセットボンベは、イソブタン：約70%・ノルマルブタン：約30%で充填されています。これはイワタニ カセットガスパワーゴールドと同等の配合率となっています。
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SOTO パワーガス
SOTO パワーガスは、ブタン：約70%・プロパン：約30%で充填されています。この「プロパン」という上記で説明した通り、主に家庭用で採用されているガスで非常に寒さに強いです。氷点下でも点火することができます。
イソブタンは配合されていませんが、寒さに強いプロパンガスが配合されることにより、「パワーガス」となります。
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ユニフレーム プレミアムガス
ユニフレーム プレミアムガスは、イソブタン：約95%・プロパン他5％で充填されています。価格のことを考えなければ、カセットガスボンベ界の中では間違いなく最強です。ただし、価格もそれなりとなってしまいますので、ご注意くださいませ。
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ソト(SOTO) ハイパワーガスボンベ CB TOUGH
こちらはもはや、寒冷地仕様となっているハイパワーガスボンベで、通常利用する分には必要のないスペックです。OD缶（アウトドア缶）とよばれる、より頑丈な缶と同じ成分で充填されています。カセットガスを頑丈にしたことで実現できたそうです。
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