こんにちは、もしもにスタジオ代表の防災士うめいです。
このサイトでは「防災をデザインする。」をテーマに防災に関するお役立ち情報を発信しております。
今回は「カセットボンベの安全&ラクな捨て方」についての記事です。
カセットボンベを捨てたいが、事故がこわいので安全に捨てたい
カセットボンベのガス抜きが面倒なので、ラクにガス抜きしたい
カセットボンベを捨てる時の注意点を知りたい
カセットボンベは便利だけど捨て方を間違えると危険!
カセットボンベ、便利ですよね。
我が家ではお鍋・たこ焼きメーカーなどでつかったり、キャンプやバーベキューなどのアウトドアでも使っています。さらに、防災備蓄として常に多めにストックをしております。
\ 防災備蓄のカセットボンベ、足りてますか?必要本数を解説! /
そんな便利なカセットボンベですが、廃棄方法を間違えると大きな事故にもつながる注意が必要な道具です。例えば、2023年9月に東京の国分寺にあるイタリアンレストランで、誤ったガス抜き方法によりガス爆発が起きる事故が起きています。この事故で2名の方が爆発で飛び散ったガラスの破片で軽傷を負っています。
この記事では、道具がなくてもできるガス抜きの方法から、より安全にガス抜きするためのグッズもご紹介します。
まずは自治体のルールを確認!穴あけ不要の自治体が増えています
カセットボンベを処分する場合は、まず最初に自治体のルール確認が必要です。
自治体によっては燃えないゴミで回収したり金属類として回収する自治体もあります。またカセットボンベに穴を開けずに処分するようルールを決めている自治体もあるので、まずは自治体のホームページなどで処分方法を確認しましょう。
以下に、カセットボンベの捨て方を指示している自治体の例を掲載します。多くの自治体で穴あけ不要または、穴あけをせずに処理することが明記されているので、皆さんの自治体でもルールを必ず確認するようにしましょう。
横浜市 | カセットボンベや殺虫剤、制汗剤などのスプレー缶は、中身を使い切っていただき、それだけをまとめて透明または半透明の袋に入れて、「スプレー缶」の収集日にお出しください。 穴を開ける必要はありません |
大阪市 | スプレー缶、カセットボンベ類の中身は必ず使いきって、穴をあけずに中身の見える透明または半透明の袋に入れて、空き缶、空きびん、ペットボトル、金属製の生活用品とは別の袋に入れてお出しください。 |
名古屋市 | スプレー缶類(スプレー缶、カセット式ガスボンベ、キャンプ用携帯ボンベ)の出し方 名古屋市では、不適切な穴あけ方法による火災や事故の防止のため、中身を完全に使い切って、穴をあけずに出していただくこととしています |
札幌市 | ・中身を使い切って ・穴をあけずに ・透明または半透明の袋に入れ(無料) ごみステーションにお出しください。 ※「燃やせるごみ」の黄色の指定ごみ袋(有料)には決して入れないでください。 ※できるだけ一度に出す量を少なくしてください。 |
福岡市 | 平成31年2月に福岡市でカセットボンベの処理中に大きな爆発事故が発生しました。 スプレー缶やカセットボンベは適切な中身の抜き方をしないと事故やケガにつながることがあります。 また、不適切な捨て方をすると収集車や施設での火災につながります。 安全のため、以下のとおり適切な処理をお願いします。 殺虫スプレー・整髪スプレーなど、「火気と高温に注意」などと表示してあるスプレー缶やカセットコンロ用ガスボンベは… 1 中身を使い切り 2 「燃えないごみ」の青い指定袋へ 入れて出してください。 ※ガス抜き後の穴あけは不要です。 中にガスが残った状態で燃えないごみとして出すと、収集時や処理工場での火災事故の原因となります。 |
さいたま市 | ライターやスプレー缶は中身を出し切ってから、有害危険ごみの日に透明な袋に種類ごとに入れて収集所にお出しください。 使いきれなかった等で中身を出し切ることができない場合は、「中身あり」と表示していただいた上で、中身がないものとは別の透明な袋に種類ごとに分けて有害危険ごみの日に収集所にお出しください。詳しくは有害危険ごみの出し方をご参照ください。 (注意)ご自宅でのスプレー缶の穴あけは、火災や爆発の危険性があるため、絶対に行わないでください。 |
カセットボンベのガス抜きの際の3つの注意点
カセットボンベのガス抜きをする際に、必ず守るべき注意点があります。
カセットボンベの捨て方 3箇条
① 屋外の風通しの良いところでガス抜きを行う
② 周囲に火の気がないことを確認して行う
③ 周囲に人がいないことを確認して行臭
ガス抜きしたガスに引火しないために、屋内では絶対にガス抜きをしてはいけません。
さらに、カセットボンベのガスは空気より重いため、無風の時は重力の方法(下向き)に流れていきます。 窪みや囲いがある場所でガス抜きすると、その場所にガスが溜まります。必ず屋外の周囲がひらけた場所でガス抜きするようにしてください。また、温度が高い方がガス抜きに適しています。10度以下の環境ですとガス抜きに時間がかかるためご注意ください。
めんどくさがって屋内でガス抜きするのは絶対にNGだにゃん…
また、マンションやアパートではベランダでガス抜きをする方もいらっしゃるかと思いますが、一度に大量のガス抜きすると「ガス臭」が原因で近隣の方から通報される可能性があります。できれば、少量ずつガスを抜くか、人気のない広場などでガス抜きするのがおすすめです。
おすすめのガス抜き方法
カセットボンベの大手メーカー、イワタニではガス抜きの方法について、「先端を下にして、先端部をコンクリートなどに押し付けて」と書いています。ただ、このやり方は疲れてしまうので、別の方法がおすすめです。
抜き方は、屋外の火の気のない風通しの良いところで、カセットボンベのキャップを外し、先端を下にして、先端部をコンクリートなどに押し付けてください。そうすることにより、ガスが抜けていきます。ガスが出なくなった後、振っていただき、「サラサラ」とした音がしなければガスが抜けて空になっています。 ガスを抜いた後は、お住まいの地域自治体のごみ出しの取り決めに従って廃棄ください。
https://www.iwatani-sanyo.co.jp/gas_discard
元消防士の防災の専門家・高岡防災さんのおすすめの方法ですが、「カセットコンロを「点火」まで回さない状態で「プシュー」と音がする状態で放置すると良い(自己責任ですが)」とおススメしています。
この方法ですと①手が疲れない②手が冷たくならない③一定の量を少しずつ確実に放出できるのでおすすめとのことです。
是非、参考にしてみてくださいませ。
ラクに安全にガス抜きできるグッズ
カセットコンロを使ってガス抜きする方法をお伝えしましたが、もっと手軽にガス抜きをしたい場合あるかと思います。そういった場合は専用のツールを使うのがおすすめ。
コンパクトでデザイン性の高いガス抜きクリップ
マグネットなどで冷蔵庫につけられる、かわくてコンパクトガス抜きクリップ。
クリップ式なので挟むだけでガス抜きができます。穴あけでのガス抜きにも対応できるので、ひとつあると便利なクリップです。こちらはカセットボンベ(CB缶)専用となっており、アウトドア用のOD缶には対応していないため、あまりキャンプなどに行かない方にはおすすめです。
所有感のあるSOTOのガス抜きツール
こちらはアウトドアブランドSOTOから発売されている、ガス抜きツール。アウトドアブランドらしく、CB缶・OD缶のどちらのガス抜きにも対応しています。ツールとしての所有感もあるため、モノにこだわりのある方はこちらがおすすめ。カセットボンベを発売している会社が公式に出しているガス抜きツールなので安心感もあります。
一方、カセットボンベ最大手のイワタニは「ガスが入った状態で穴をあけると、ガスが噴出して途中で止まらなくなり危険ですので絶対におやめください。」と表示しています。
SOTOのガスヌキツールには穴あけ機能もありますが、近年は処分の際に穴あけ不要の自治体が増えています。もし、穴あけする際には周りの環境に充分注意しましょう。