防災士試験対策|第1章・第1講「地震・津波による災害」を徹底解説
この記事は、YouTube「もしもにスタジオ」の防災士試験対策の解説動画を文字起こし&記事用にテキスト編集したものです。
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地震・津波による災害|防災士教本 第1章・第1講
第1章・第1講は「地震・津波による災害」です。
第1講はいきなりボリュームがある一方で、防災士試験でもかなり出題可能性が高い、重要な講です。
しっかりと学習していきましょう!
地震による災害
地震のメカニズム
そもそもなぜ地震が発生するのでしょうか。まずは地震の仕組みについて見ていきましょう。

実は明治時代までは、なぜ地震が起こるか、よくわかっていませんでした。
今ではメカニズムも解明されており、地下深い箇所の断層の活動により、岩石などが破壊される衝撃で地震が発生するものと、わかっています。
地震の仕組みの詳しい説明に入る前に、「プレート」を理解する必要があります。
日本の地震とプレート
地球は10数枚のプレートに覆われており、特に日本は4枚のプレートに囲まれています。
その4枚のプレートとは以下のとおりです。

- ユーラシアプレート
- 北米プレート
- 太平洋プレート
- フィリピン海プレート
さらに、プレートは大きく分けて2種類あります。

- 陸のプレート(大陸プレート):ユーラシアプレート・北米プレート
- 海のプレート(海洋プレート):太平洋プレート・フィリピン海プレート
地震の種類:海溝型地震と内陸型地震
地震にはさまざまなタイプがありますが、特に「海溝型地震」と「内陸型地震」の2つのタイプを覚えておいてください。
- 海溝型地震:海のプレートが陸の下に沈み込む境界で起こる
- 内陸型地震:陸のプレートの内部の断層が動いて発生する
海溝型地震の特徴
- 大津波の発生リスクが高い
- 数十年〜数百年という間隔で発生しており、次の発生時期が比較的予測しやすい
- 代表例:2011年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)、今後の発生が警戒される南海トラフ地震

なお、南海トラフ巨大地震は、最大級の震源モデルで東海から九州までの広い範囲が震源域として想定されており、強い揺れや津波が首都圏を含む広い範囲に及ぶ可能性が指摘されています。
内陸型地震の特徴
- 活断層による地震
- 日本には現時点で2,000本以上の活断層が確認されている
- 発生間隔は数百年〜数万年単位と幅広く、いつ・どの活断層が原因で発生するかの予測は難しい
- 代表例:1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)、2016年の熊本地震、2024年の能登半島地震

首都直下地震について

今後の発生が想定される大規模地震として「首都直下地震」があります。
「首都」とは東京やその近郊を指し、海溝型・内陸型どちらの可能性もあるとされています。
どちらの場合でもマグニチュード7クラス、震度6強〜7の揺れが想定されています。
震度とマグニチュードの違い
地震のニュースでよく耳にする「震度」と「マグニチュード」。この2つの違いを整理しましょう。

- 震度:人が感じる揺れの強さ
- マグニチュード:地震の規模をあらわす尺度
わかりやすい例として、「電球」に例えて考えてみましょう。
明るい電球(=大きなマグニチュード)でも、電球から遠ければ周りは暗い。
暗い電球(=小さなマグニチュード)でも、電球の近くなら明るく照らされる。
つまり「電球の明るさ」=マグニチュード、「あなたの周りの明るさ」=震度、というイメージです。
マグニチュードと震度は比例しないということをおさえておきましょう。
震度の階級
震度は0〜7の10段階で表されます。

- 震度7が最大(震度8・震度9は存在しない)
- 震度5と震度6のみ「弱・強」の2階級に分かれる(5弱・5強・6弱・6強)
- 震度0も存在する(人が感じることができない揺れ)
主な被害の目安は以下のとおりです。
| 震度 | 主な被害の目安 |
|---|---|
| 3 | 物が倒れることはほとんどない |
| 4 | 安定していない置き物が倒れることがある |
| 5弱〜 | 家具が倒れるリスクがある |
| 6弱〜 | 耐震性の低い一部の建物が倒壊するレベル |
震度の10段階化の背景
- 1948年の福井地震で「震度6では表せない」として震度7が制定された
- 1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で「震度5と6の範囲が広すぎる」として弱・強の細分化が行われた
マグニチュードのポイント
マグニチュードは「M8.0」のように頭文字の「M」を使って表記します。

重要なのは、マグニチュードが1上がるとエネルギーは約31.6倍になるということです。
細かい数値より「マグニチュード1の違いが、エネルギーとして非常に大きな差になる」という点をおさえておきましょう。
長周期地震動
長周期地震動とは
地震の揺れには2種類あります。
- 短い周期の波:ガタガタとした揺れ
- 長い周期の波:船酔いを起こすような、ゆっくり繰り返す揺れ(=長周期地震動)
長周期地震動の特徴は「遠くまで伝わりやすい」こと。特に高層ビルへの影響が大きいです。
注目されたきっかけ

- 2003年の十勝沖地震:震源から遠くの苫小牧の石油コンビナートで火災が発生。原因は長周期地震動による「スロッシング現象」
- 2011年の東北地方太平洋沖地震:震源から遠い東京都心の高層ビルが大きく揺れ、エレベーターへの閉じ込めや東京タワーのアンテナが曲がる被害が発生
長周期地震動階級
このような背景から、2023年より「震度」とは別に「長周期地震動階級」の情報提供が開始されました。

目的は「高層ビル内での的確な防災対応ができるようにすること」です。
| 階級 | 揺れの状況 |
|---|---|
| 階級1 | ブラインドが大きく揺れる程度 |
| 階級2・3 | 徐々に影響が大きくなる |
| 階級4 | 立っていることができず、固定していない家具が転倒するレベル |
「長周期地震動は、震源が遠い場所の高層ビルに大きな影響がある」という点を覚えておきましょう。
津波による災害
津波の仕組み
津波の原因はさまざまですが、最も多い原因は地震です。

海底で地震が起きると海底面が急激に隆起・沈降し、その上にある海水全体が一斉に動きます。
この動きが海面まで伝わり、巨大な波のエネルギーとなって四方へ広がっていく現象が津波です。
このような地震を原因とした津波を「地震性津波」といいます。
地震性津波の2つのキーワード
① 津波地震
「津波地震」とは、揺れが小さいにもかかわらず大きな津波を伴う地震のことです。
日本では1896年の明治三陸地震が有名で、各地の震度は2〜3程度だったにもかかわらず、北海道から宮城県の太平洋沿岸に大津波が到達し、甚大な被害をもたらしました。

「揺れが小さいから安全」と判断してはいけない、ということを覚えておきましょう。
② 遠地津波
「遠地津波」とは、沿岸から遠く離れた場所で発生した地震が原因の津波のことです。
1960年、チリ沖でマグニチュード9.5の超巨大地震が発生。地震発生から約22時間後に大津波が日本を襲い、三陸海岸には6.4mの大津波が到達しました。

非地震性津波
地震を原因としない津波を「非地震性津波」といいます。

原因はさまざまで、火山の噴火や山体崩壊による土砂の海への流入などがあります。
近年の代表例として、2022年のフンガ・トンガ噴火があります。日本から約9,000km離れた海底火山の噴火にもかかわらず、日本に1mを超える津波が到達しました。
「地震が来なくても津波が来ることがある」という点を必ずおさえておきましょう。
津波の特性
津波の速さ
津波の速さは海の深さと関係しています。
- 沖合(深い海):ジェット機並みの速さ
- 陸地到達時点でも時速約40km

一般的なシティサイクルの最高速度は時速20km程度ですから、津波から走って逃げることは絶対に不可能です。
このため、「事前避難」(津波の可能性があればすぐに避難する) や 「垂直避難」(より高い場所に逃げる) が必要不可欠です。
その他の津波の特性
- 沖合では低い津波でも、沿岸に近づくにつれて高くなる(沖合1mの津波が沿岸では数十mを超えることも)
- 津波は何度も押し寄せる(2回目・3回目の方が高くなることがある)
- 湾の奥で高くなる
- 川や運河を遡上(そじょう)する(海水が川を逆流して上流へ向かうこと)

津波のときは沿岸だけでなく、川沿いも危険ということを覚えておきましょう。



