防災士試験対策|第1章・第2講「気象災害・風水害」を徹底解説
この記事は、YouTube「もしもにスタジオ」の防災士試験対策の解説動画を文字起こし&記事用にテキスト編集したものです。
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気象災害・風水害|防災士教本 第1章・第2講
第1章・第2講は「気象災害・風水害」です。
第1講の地震・津波に続いて、試験での出題可能性が高い重要なテーマです。
台風や大雨、豪雪など、私たちの日常生活に直結する災害が多く登場しますので、身近なテーマとして取り組んでいきましょう!
気象災害・風水害とは
日本の地形的な特徴
日本列島は山脈が縦走しており、多くの河川の勾配が急で、流路が短く、流域面積が小さいという特徴があります。
これが何を意味するかというと、大雨が降った際に雨水が一気に川へ流れ込み、短時間で水位や流量が急増しやすいということです。
平野部が広く河川が緩やかに流れるヨーロッパなどと比べると、日本の河川は大雨への対応がもともと難しい構造になっています。

また、日本は山地が多く国土の大部分が山間部であるため、生活や経済活動の場が川沿いの平野部に極端に集中しています。
東京・名古屋・大阪といった大都市が平野に発展してきた一方で、どの都府県にも洪水氾濫域や海抜ゼロメートル地帯が存在しています。
内閣府の防災白書によれば、洪水氾濫域に全人口の約51% が居住しており、全資産の約75% が集中しているとのことです。

日本人にとって水害対策がいかに重要かがわかりますね。
近年の気象変化と災害の激甚化
近年では、地球温暖化などの影響により異常気象が続き、災害が「激甚化」しています。
激甚化とは、自然災害の規模や被害が以前と比べて大きくなっていく傾向のことです。
実際、2024年の世界平均気温は、産業革命前と比べて1.55℃上昇したという記録があり、温暖化が着実に進んでいることが示されています。
この温暖化の影響で起こりうる気象災害の変化には、以下のようなものがあります。
- 豪雨の増加により洪水や土砂災害が起こりやすくなる
- 台風が強大化し、強風や高潮による被害が拡大する
- 干ばつや少雨が増え、水不足や農業被害が深刻化する
- 猛暑が常態化し、熱中症のリスクが高まる
気象災害の重要な特徴
ただし、ほとんどの気象災害は、地震と違って「事前にある程度予測できる」という特徴があります。
そのため、危険や異変を感じたら、避難指示を待たずに自主避難することが重要です。
行政からの指示を待つ受け身の姿勢ではなく、自分の判断で早めに動くことが、命や財産を守ることにつながります。
気象災害とは、大雨や強風、大雪といった気象現象が原因となって発生する災害の総称です。
代表的なものに、台風や豪雨による洪水、大雪や雪崩、竜巻や落雷などがあります。
台風
台風の基本
台風は夏から秋にかけて日本列島に接近し、広い範囲に大雨・強風・高潮などの被害をもたらす気象現象です。
毎年、平均で約11個の台風が日本に接近しています。
日本を通過する台風は、偏西風などの影響を受けて東寄りに進路を変えながら移動することが多いです。
また、北半球では地球の自転の影響により、台風を上からみると反時計回りに回転しています。

南半球では逆の時計回りになるため、北半球と南半球で回転方向が逆になります。
覚え方のヒント:「南ちゃん、時計大好き」
南半球=時計回り、と覚えれば北半球は反時計回りと導けます!

台風の大きさと強さの区分
風速17.2m/s以上になると、熱帯低気圧から「台風」へと名称が変わります。
強さの区分
| 風速 | 呼び方 |
|---|---|
| 33m/s以上 | 強い台風 |
| 44m/s以上 | 非常に強い台風 |
| 54m/s以上 | 猛烈な台風 |
大きさの区分(強風域の半径)
| 半径 | 呼び方 |
|---|---|
| 500km以上 | 大型の台風 |
| 800km以上 | 超大型の台風 |
台風の風圧
台風の風は一般的に、中心に近いほど強くなります。
また、風が物体に及ぼす力(風圧)は、風速の2乗に比例して大きくなります。
例えば、風速が3倍になると風圧は9倍になる計算です。
台風が接近するにつれて、風による被害の危険性は加速度的に高まるということを覚えておきましょう。
高潮:台風とセットで覚える
高潮とは、台風や熱帯低気圧の影響によって海面が異常に高まり、海水が陸地に押し寄せる現象のことです。
海水が堤防を越えて市街地に流れ込み、浸水や家屋被害などを引き起こします。
高波を伴う場合も多く、満潮と重なると被害がさらに拡大しやすくなります。

高潮が発生する2つの効果
高潮は主に以下の2つの効果によって発生します。
① 吸い上げ効果
台風や熱帯低気圧の中心付近では気圧が低く、その低気圧によって海面が吸い上げられるように上昇する効果です。
気圧が1hPa下がると海面が約1cm上昇するとされています。
② 吹き寄せ効果
台風や熱帯低気圧の強風が海水を陸地側へ押し寄せることで、海面が上昇する効果です。
この2つはセットで覚えておきましょう!
豪雨・水害
豪雨とゲリラ豪雨
豪雨とは、短時間に大量の雨が降り、生命や生活に影響を及ぼすような規模の強い雨のことです。
近年は都市部を中心に「ゲリラ豪雨」と呼ばれる大雨も増えています。
ゲリラ豪雨は正式な気象用語ではなく、気象庁では「局地的大雨」と呼んでいます。
発生から被害発生までの時間が非常に短く、下水道の排水能力を超える雨量となりやすいため、道路冠水や地下空間・建物への浸水につながる危険があります。
外水氾濫と内水氾濫の違い

外水氾濫(洪水)
外水氾濫とは、大雨などによって河川の水位が上昇し、堤防を越えたり決壊したりすることで発生する水害のことです。
河川沿いの広い範囲が一気に浸水する恐れがあり、水深が深くなりやすいため、家屋の流失や長期間の浸水被害につながりやすいのが特徴です。
内水氾濫
内水氾濫とは、下水道や排水施設の処理能力を超える雨が降った場合に、市街地の低い場所などに水があふれる水害のことです。
河川が氾濫していなくても起こるのがポイントで、ゲリラ豪雨などが原因で都市部で発生しやすい水害です。
線状降水帯
近年、各地で甚大な被害をもたらしているのが「線状降水帯」です。
発達した雨雲が次々と流れ込んで帯状に連なり、同じ場所に数時間にわたって激しい雨が続く現象のことです。
被害が広範囲かつ深刻になりやすい点が大きな特徴です。

線状降水帯は発生時間や場所の特定が難しいことが課題でしたが、2024年からは半日前予測の対象が「地方単位」から「都道府県単位」に絞り込まれました。
将来的には「市町村単位」での情報提供が目指されています。
予測精度は高まってきましたが、少しでも危険を感じたら早めに安全な場所へ移動する判断が重要です。
水害対策
流域治水
流域治水とは、堤防やダムといった河川対策だけに頼るのではなく、川の上流から下流・流域全体で洪水被害を軽減しようとする考え方のことです。
国や自治体だけでなく、企業や住民も含めた地域全体で水害に備える点が特徴です。
日本の河川は勾配が急で流路が短いため、大雨時に短時間で水位が急増しやすく、ハード対策だけでは大規模洪水に対応しきれない場面が出てきています。
そこで、ハード対策・ソフト対策の両面を流域全体で進めるのが流域治水の考え方です。

具体例として以下のようなものがあります。
- ハード対策:上流域でのダム整備、都市部での地下貯留施設など
- ソフト対策:ハザードマップの活用、早期避難の促進など
「流域全体で、みんなで水害に備える」というのが流域治水の本質です。
タイムライン(事前防災行動計画)
水害対策として「タイムライン」という事前防災行動計画があります。
大規模水害の発生予想時刻から逆算して、自治体関係者がどう行動するかをあらかじめ決めておくというものです。
個人版の「マイ・タイムライン」も存在します。
雪害
雪害は大雪・吹雪・雪崩などによって発生する災害です。
日本の国土の約51%が豪雪地帯であり、日本の総人口の約15%がこの豪雪地帯に居住しています。
雪害は交通障害や建物の倒壊、孤立集落の発生など生活への影響が大きく、普段雪の少ない地域でも大雪時には被害が発生しやすいため、早めの備えが重要です。
雪による事故は大きく4つに分類されます。
- 雪崩による事故
- 車による雪道での事故
- 除雪中の事故
- 歩行中の雪道での事故
ラニーニャ現象・エルニーニョ現象
2つの現象の違い
この2つは、赤道付近の太平洋の海面水温の変化が原因となって起こる気象現象で、日本を含む世界各地の気象に大きな影響を与えます。
| 現象 | 効果 | 日本への影響 |
|---|---|---|
| エルニーニョ現象 | 季節の変化を小さくする | 冷夏・暖冬になりやすい |
| ラニーニャ現象 | 季節の変化を大きくする | 猛暑・厳冬になりやすい |
どちらの現象がどういった効果を持つかをしっかりおさえておきましょう。




