防災士試験対策|第3章・第9講「行政の災害対策と危機管理」を徹底解説
この記事は、YouTube「もしもにスタジオ」の防災士試験対策の解説動画を文字起こし&記事用にテキスト編集したものです。
動画と合わせて活用することで、より効果的に知識を定着させることができます。
防災士試験は、正しい知識の理解と反復学習がカギ。 一緒に合格を目指して、着実に学んでいきましょう!
防災士試験の合格を目指して勉強中の方
防災士教本の第3章・第9講「行政の災害対策と危機管理」を復習したい方
動画と合わせてテキストでも確認したい方
▼動画での解説はこちら↓
Youtubeでは防災士試験対策動画のほか、防災に関する有益な情報を発信しています。
チャンネル登録・高評価もぜひよろしくお願いします!
防災士試験対策テキスト・過去問をお探しの方へ
Amazonで防災士試験に対応した教材も発売中!
ご購入者様から、満点合格の嬉しいご報告もいただいています!
合格に向けて、ぜひご活用ください(^^♪
『防災士最短合格ブック|もしもにスタジオ』
『知識が身につく防災学習ガイド|もしもにスタジオ』
こんにちは、もしもにスタジオ代表・防災士のうめいです。
「防災をデザインする。」をテーマに防災情報や防災ノウハウを発信しています。
防災士うめい 【 X・Instagram・Youtube ・note】
・防災士試験を全問正解で合格
・インテリアコーディネーター/整理収納アドバイザー
・マーケターが提供する防災事業向けマーケ支援サービスはこちら
行政の災害対策と危機管理|防災士教本 第3章・第9講
第3章・第9講は「行政の災害対策と危機管理」です。
これまでは災害の種類や情報について学んできましたが、第3章からは「社会の防災」がテーマです。
国や行政がどのような仕組みで災害に備え、対応しているのかを整理していきましょう。
危機管理とは
国にとっての「危機」とは、自然災害だけではありません。
大規模テロ・感染症の流行・重大事故・武力攻撃など、国民の生命・身体・財産に重大な影響を与える事態全般が含まれます。
こうした危機に対して、国や行政が組織的・計画的に対処する仕組みを「危機管理」と呼びます。
トップダウンとボトムアップの原則
危機管理体制の重要な特徴として、「トップダウン」と「ボトムアップ」の原則を覚えておきましょう。

- トップダウン:意思決定は本部が行い、指示を現場へ伝える
- ボトムアップ:現場の情報を上層へ集約する
「命令は上から、情報は下から」という構造です。
災害対策に関する主な法律・制度
災害対策基本法
日本の防災行政の根幹をなす法律が「災害対策基本法」で、1961年に制定されました。
制定のきっかけとなったのは1959年の伊勢湾台風です。
死者・行方不明者5,000名以上、被災者153万人という明治以降の日本史上最悪の惨事を教訓として整備されました。

この法律の特徴は、都道府県・市町村・指定公共機関・住民それぞれの責務と役割を明確化している点です。
「防災は国だけがやるものではなく、行政・機関・住民みんなで取り組むものだ」という考え方が基本にあります。
また、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの教訓を踏まえてたびたび改定されている法律でもあります。
中央防災会議
災害対策基本法に基づき、内閣総理大臣を会長とする「中央防災会議」の設置が定められています。

中央防災会議の役割:
- 防災基本計画の作成・実施の推進
- 非常災害への対処
- 国全体の防災に関する重要事項の審議・決定
この中央防災会議で作成される「防災基本計画」が日本全体の防災に関する基本的な指針となり、これに基づいて地方自治体が地域防災計画を策定します。
災害対策本部
「災害対策本部」は災害時や発生のおそれがある時にのみ設置される組織で、中央防災会議とは異なります。

| 単位 | 名称 |
|---|---|
| 市町村 | 災害対策本部 |
| 国 | 緊急災害対策本部 |
災害対策本部が設置されると、市町村長に避難指示の発令や警戒区域設定などの権限が与えられます。
地域防災計画と地区防災計画
名前が似ているため、混同しないようにしっかりおさえておきましょう。

| 計画 | 主体 | 内容 |
|---|---|---|
| 地域防災計画 | 都道府県・市町村 | 予防〜復旧・復興までの対応方針や役割分担を定めた総合計画 |
| 地区防災計画 | 自治会・町内会などのコミュニティ | 住民が主体となって地域の実情に応じた防災行動をまとめた計画 |
地区防災計画は地域防災計画よりもさらに細かい単位で作成され、近年特に推進されています。
被災後の重要な制度
応急危険度判定
応急危険度判定とは、大地震で被災した建物が引き続き使用できるかを迅速に判定する公的な仕組みです。
大地震後のさらなる地震による二次被害を防ぐことが目的です。

- 実施主体:市町村(都道府県が調整、登録を受けた建築士などの判定士が現地調査)
- 建物に「危険」「要注意」「調査済」などの表示が掲示される
- 個人で申請する必要はなく、被災した自治体が手配して一斉調査する
- あくまで応急的な安全確認であり、建物の本格的な被害認定とは別の制度
罹災証明書
罹災証明書とは、地震や風水害などで住家に受けた被害の程度を公的に証明する書類です。
生活再建に向けた支援金の受け取りや、納税の減免などの手続きの基礎資料となります。

- 実施主体:市町村
- 申請を受けて現地調査を行い、全壊・大規模半壊・半壊などの区分を判定して交付
- 被災者自身が市町村に申請する必要がある点が重要
災害時の実働組織
消防・緊急消防援助隊

消防は、市町村が設置する消防本部・消防署を中心に、火災の鎮火・救助・救急活動を担います。
大規模災害時には一つの市町村の消防力では対応が困難なため、「緊急消防援助隊」が活用されます。
全国の消防機関が連携して被災地へ応援に駆けつける仕組みで、消防庁長官の指示または要請で出動します。
消防団

消防団は、地域住民で構成される非常備の消防機関です。
普段は別の仕事を持ちながら、災害時には消火・救助・避難誘導などを担います。
地域の実情に精通しているという強みがあり、特に地方部で重要な役割を担っています。
警察災害派遣隊

大規模災害時には警察も被災地へ部隊を派遣します。
行方不明者の捜索・救助、交通規制、避難誘導、治安維持などを担う組織を「警察災害派遣隊」といいます。
自衛隊

都道府県知事などからの要請がある場合か、状況によっては要請がなくても自主派遣により直接支援を行います。
人命救助・捜索・輸送・給水・入浴支援など、大規模な実力部隊としての活動が特徴です。
東日本大震災では最大約10万人規模が動員されました。
TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)

国土交通省が設置する緊急災害対策派遣隊です。
専門的な技術力を活かして、被災状況の調査やインフラ復旧支援などを行います。
海上保安庁

海上での人命救助・捜索・救助活動を担います。
津波や洪水などで水没した地域への船艇・航空機による支援も行います。
DMAT(災害派遣医療チーム)

大規模災害の急性期(発生直後から約48時間)に活動できるよう訓練された医療チームです。
医師・看護師・業務調整員などで構成され、被災地での医療活動・医療機関の支援・患者搬送などを担います。
「急性期の医療を担うのがDMAT」と覚えておきましょう。
DPAT(災害派遣精神医療チーム)
DMATが身体的な医療を担うのに対して、DPATは精神科医療・精神保健活動の支援を担うチームです。
被災者や支援者のこころのケアを専門とし、精神科医・看護師・業務調整員などで構成されます。

主な災害時の実働組織まとめ
| 組織 | 主な役割 |
|---|---|
| 消防・緊急消防援助隊 | 火災鎮火・救助・救急 |
| 消防団 | 地域の消火・救助・避難誘導 |
| 警察災害派遣隊 | 捜索・救助・交通規制・治安維持 |
| 自衛隊 | 人命救助・輸送・給水・入浴支援 |
| TEC-FORCE | 被災状況調査・インフラ復旧支援 |
| 海上保安庁 | 海上の人命救助・航空機支援 |
| DMAT | 急性期(約48時間)の医療支援 |
| DPAT | こころのケア・精神科医療支援 |




